1999 Fiscal Year Annual Research Report
電離圏プラズマ対流および磁気圏電場の定量的モデルと宇宙天気予報への応用
Project/Area Number |
11740273
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
田口 聡 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (80251718)
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Keywords | 電離圏 / プラズマ対流 / 磁気圏電場 / 地上磁場変動 / 宇宙天気 |
Research Abstract |
本年度は、Dynamics Explorer2号衛生の電場データの統計解析によってこれまでに得た予備的な対流モデルから地上磁場変動を算出し、その計算された磁場の値と実際の磁場観測値の比較・検討からモデル高精度化のための基礎を確立した。まず、惑星間空間磁場北向き時の対流モデルに対する検討を行った。約500キロメートル以上の空間スケールにおいて、モデルが観測をうまく再現し、この状況に関しては、特にフィードバックを考える必要がないことがあきらかになった。それ以下の小さい空間スケールに関しては、特に昼夜の境界付近でモデルと観測の不一致が生じることがある。これに対しては、局所的な対流を導入し、そこでコンダクタンスを増大させることで調整できることが分かった。この調整は、極冠域のオーロラの出現を反映する妥当なものと考えられるものの、今後、導入した対流の位置および与えるポテンシャルの大きさなどについて検討が必要と思われる。また、その対流の時間発展をどのようにモデルに組み込むかも課題である。次に、惑星間空間磁場が南向きに対応するモデルの高精度化のために、実際の観測との不一致を示すことが多い夜側電離圏の対流について検討した。この不一致の原因は、サブストームの時間・空間的発達のためであり、これの解決に向けて、どの程度まで短い時間スケールがモデリングに必要かつ十分であるかについて研究を行った。太陽風観測衛星WINDのデータとサブストームを表すインデックスの比較解析、また、地上からのレーダによるプラズマ対流の動的な反応を示すイベント解析により、5分程度の時間スケールの有効性を確認した。
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