1999 Fiscal Year Annual Research Report
流れによる安息角の変化についての実験的研究-斜交層理の形態による古流速の復元
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11740282
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
江崎 美和 (横川 美和) 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30240188)
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Keywords | 安息角 / ガラスビーズ |
Research Abstract |
従来定量的な実験が非常に少ない停止安息角を精度よく求めるために,新しい実験装置を作成した.この装置は2枚の板の間に上部のホッパーから堆積物を落として二次元性の強い斜面を形成するもので,停止安息角を正確に測定することができる.ホッパーからの供給量は自由に変えることができる,また,形成される斜面の高さを調節できるようにした. 5種類の粒径(平均粒径3.4mm,1.7mm,0.7mm,0.2mm)のガラスビーズについて供給量と斜面高さを変えて実験を行い,さらに粒子形状の影響を調べるために,とがった形状を持つガラスパウダー(平均粒径0.7mm)でも実験を行った. 実験の結果,球形のガラスビーズについては供給量および斜面高さの変化に伴う停止安息角の変化は小さく,誤差の範囲であることがわかった.それぞれの粒径で形成される停止安息角を比べると,従来,堆積物の粒径が大きいほど安息角が大きいといわれているにもかかわらず,平均粒径1.7mmと0.2mmの堆積物の安息角が他のものより大きいという結果が得られた.これは製造工程で球形でない粒子が混ざっていたり,ガラスビーズの表面が傷ついていることが原因であることがわかった.そこで球形の粒子だけを集めて実験をした結果,平均粒径の大きいものほど停止安息角も高いという,従来の知見どおりの結果が得られたが,5つの粒径の停止安息角は23.5〜25.8度の間に分布した.これに対して,非球形の粒子が混ざった0.2mmのガラスビーズは当初平均26.5度程度の値が得られており,粒子の形が停止安息角に非常に大きく影響していることがガラスパウダーの結果を待つまでもなくわかる.形状がとがったガラスパウダーでは停止安息角は約37度を示した.このように,堆積物の形状は粒径よりも大きな影響を停止安息角に及ぼすことがわかった.
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