1999 Fiscal Year Annual Research Report
中国の未調査地域産植物化石によるアジアのジュラ紀植物相の解明
Project/Area Number |
11740287
|
Research Institution | Natural History Museum and Institute, Chiba |
Principal Investigator |
斎木 健一 千葉県立中央博物館, 植物学研究科, 研究員 (40250055)
|
Keywords | 鉱化植物化石 / ジュラ紀 / 新疆ウイグル自治区 / 根茎 / 沈陽地質鉱産研究所 / 大連自然博物館 / 上海自然博物館 / 南京地質古生物研究所 |
Research Abstract |
本研究では中華人民共和国を対象地域として,鉱化植物化石の産出記録もしくは産出情報のある地域の現地調査と各地の博物館・研究所に保管されている植物化石の調査を行った.調査期間は平成11年6月22日ー7月21日の30日間. ●現地調査 中国国内で出版されている論文等をもとに調査地の選定を行い,新疆ウイグル自治区のマナス南部、石河子南部、ウルムチ郊外、将軍廟周辺のジュラ系露出地域計4地点を調査した。将軍廟周辺では多数の珪化木を確認したが、珪化した葉や繁殖器官等は確認できなかった.文献に種子として記載されていた物は,風化したノジュールの核であることが判明した.マナス南部、石河子南部では多数の材化石が確認されたが鉱物化した植物化石は発見できなかった.ウルムチ郊外でも鉱物化した植物化石は発見できなかった. ●研究機関に保管された植物化石の調査 沈陽地質鉱産研究所・大連自然博物館・上海自然博物館・南京地質古生物研究所などの諸研究機関に保存されている植物化石を調査し、鉱化化石産地発見のための資料・情報を収集した。 沈陽地質鉱産研究所では珪化したシダ類の根茎を観察,産地に関する情報を得,来年度の調査にむけての情報を収集できた.大連自然博物館は,事前に承諾を得ていたにもかかわらず,博物館移転のため梱包されているとの理由により展示物以外の標本調査は許可されなかった.上海自然博物館では,多量の球果化石が保存されていることが確認できた.しかしいずれも圧縮化石であり,今回の調査の趣旨とは異なっているため,次年度の調査対象とはしなかった.南京地質古生物研究所では,標本が膨大であったため,全ての標本を観察することができなかった.次年度に再調査を行う予定.
|