1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11740292
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
奥地 拓生 名古屋大学, 理学部, 助手 (40303599)
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Keywords | 月の科学 / 還元風化作用 / マントル鉱物 / RFプローブ |
Research Abstract |
月の裏側の直径2000kmという巨大クレーターには,45億年前のマグマオーシャンの固化によって強く分化したマントル物質が露出しており,2003年以後に予定される大型月探査衛星による赤外反射スペクトル測定が待ち望まれている。この衛星のデータを月の科学の進展に資するためには,クレーター形成後にマントル鉱物が受けた,太陽風による還元風化作用のスペクトルへの影響を評価する必要がある。このために名古屋大学理学部の300MHzワイドボア型核磁気共鳴分光計を用い,鉱物中の鉄をはじめとする遷移金属元素の化学結合状態の測定を行うための研究を現在進めている。本研究の目的は,このような多核核磁気共鳴分光測定に必要な,RFプローブをはじめとする高周波信号を扱う実験装置の製作及び試験を行い,データ取得への道筋をつけることである。 本年度は購入したRFネットワークアナライザを用い,上記研究に必要な RFプローブ製作の材料となる,各種高周波部品の電気的特性の測定を行った。また,エアトリマコンデンサ,銅板,同軸ケーブル,及び真鍮製の筐体部品を用いて,^1Hの核磁気共鳴信号検出のためのプローブの試作を行い,実際に信号の検出をすることができた。今後,多核種の核磁気共鳴測定に向けて,個々の共鳴周波数ごとにプローブを製作し,上記目的の実現を目指す予定である。
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