1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11740298
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
安井 真也 日本大学, 文理学部, 助手 (90287566)
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Keywords | 安山岩質マグマ / 安山岩質火山 / 噴火様式 / 噴火の機構 |
Research Abstract |
全国の安山岩質火山について,地形図,火山基本図および空中写真を収集し,地形データの比較,空中写真用いた地形分類を予察的に行った.その結果,火砕噴火を主に火山と,溶岩流の流出を主とする火山とで地形的な差異がある傾向が認められた.空中写真判読により,主に溶岩流から構成されるとみられる北海道の恵庭火山の山頂から山麓にかけての地質調査および溶岩の試料採取を実施した.野外での観察では,溶岩流の地形に対応する部分に火砕岩とみられる産状を示す部分が局所的に認められたが,噴出形態の詳細までは不明である.採取した溶岩試料の岩石薄片を作成し,他の火山の溶岩とあわせて破片状結晶量と結晶量の測定を実施した.恵庭山の溶岩は破片状結晶の量が山頂から山腹にかけての5つの溶岩流で火口からの距離に関係なく多様であること,他火山と比較した場合,通常の溶岩の値の範囲にあることが明確になった.溶岩流出の噴火様式の実態と破片状結晶の生成の機構の解明が今後の課題である. また安山岩質火山の大規模噴火の代表的な事例として,浅間火山1783年(天明3年)噴火に関する,噴出物の層序,古記録分析結果および岩石学的性質を総括し,噴火様式の実態に関する考察を行った.この事例研究については,論文投稿の準備を継続中である.
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