1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11740310
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山路 稔 群馬大学, 工学部, 助手 (20220361)
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Keywords | 三重項エキシマー / エキシマー蛍光 / 過渡吸収 / ナフタレノファン / 無輻射過程 |
Research Abstract |
ナフタレンの1と5位をトリ-およびテトラメチレン鎖で連結した[3.4](1,5)ナフタレノファン(34NPP)を合成した。MM2計算によるとナフタレン環は平行な構造を保っている。比較のために、1,5-ジメチルナフタレン(DMNP)と[4.4](1,5)ナフタレノファン(44NPP)を用いた。34NPPの吸収スペクトルはシクロヘキサン中、DMNPのものとほとんど違いがなかったため、基底状態では34NPPのナフタレン環同士の相互作用は無い。44NPPは295KではDMNPの蛍光スペクトルと類似する局部蛍光とエキシマー蛍光を、77Kの剛性溶媒中では局部リン光のみを与えたが、34NPPは295Kにおいて69n秒の寿命を持つエキシマー蛍光のみが観測された。77Kでは発光スペクトルは何も観測されなかった。266nmのナノ秒レーザー光分解法を用いて得られた過渡吸収スペクトルは、44NPPはDMNPの三重項に類似する430nm付近の吸収帯と580nm付近の三重項エキシマーの吸収帯からなるスペクトルが得られた。34NPPでは470nmと580nmに吸収帯が現れ減衰の速度が22μ秒で一致した。ベンゾフェノンを用いて34NPPへの三重項光増感により得られた過渡吸収スペクトルは直接励起により得られた過渡吸収スペクトルと一致した。このことから470nmと580nmの吸収帯は三重項エキシマーの吸収と同定した。34NPPの三重項エキシマーの生成速度は1.4x10^7s^<-1>であり、これは一重項エキシマーの減衰速度と一致していることから三重項エキシマーは一重項エキシマーからの項間交差により生成していることがわかった。77Kでも34NPPの三重項エキシマーの吸収スペクトルは得られ、リン光は観測されなかったことより平行構造を持つ三重項エキシマーは無輻射過程により失活することが明らかになった。
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