1999 Fiscal Year Annual Research Report
赤外・紫外二重共鳴分光法によるアセチレン分子のungerade振動状態の研究
Project/Area Number |
11740334
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
山北 奈美 日本女子大学, 理学部, 助手 (90277674)
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Keywords | 赤外・紫外二重共鳴分光 / アセチレン分子 / ungerade振動準位 |
Research Abstract |
気体用セルに封入されたアセチレンを、OPO赤外光レーザーで電子基底状態のC-H反対称伸縮振動の単一の振動回転状態準位に励起し、さらにYAG励起色素レーザーの倍波の紫外光の波長走査して、電子励起状態の面外シス変角振動と面内シス変角振動、およびこれらの振動に面内トランス変角振動がいくつか結合した振動の振動回転準位に励起して、レーザー誘起蛍光スペクトルの測定を行った。これらのungerade準位は、選択則より一光子励起では観測されない準位である。面外シス変角振動は赤外光レーザーで選択した中間状態の対称性との関連で本来は禁制である。この振動が観測されたのは、2つのシス変角振動準位がエネルギー的に互いに近傍に存在すること、許容な面内シス変角振動とコリオリ相互作用により強くカップルしていること、による。また、これらの2つのシス変角振動に面内トランス変角振動が結合しても、同じようにコリオリ相互作用が見られることがわかった。同様の実験を超音速ジェットにしたアセチレン分子に対しても高分解能で行った。中間状態が単一の回転準位なので、各回転準位に対して、本来はKa=1のP,Q,R枝である3本のピークが観測されるはずであるが、実際にはもっと多くのピークが見られ、これらはKa=1だけでなくKa=0,2,3の準位として帰属できた。さらに、コリオリ相互作用に基づく回転解析を行い、コリオリ相互作用定数と分子定数を決定することができた。なお、geradeの準位で報告例のあるトリプレットとのカップリングによる分裂と非常に類似した挙動を示す細かい分裂が観測されたが、その同定は今後の課題である。
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