1999 Fiscal Year Annual Research Report
新規な光学活性ピリジン誘導体を用いた不斉反応の開発
Project/Area Number |
11740354
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
小島 聡志 広島大学, 理学部, 助教授 (70215242)
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Keywords | ジアステレオ選択性 / シクロプロパン / ピリジニウムイリド / 8-フェニルメンチル基 / トランス選択性 / 置換基効果 |
Research Abstract |
置換ピリジン(無置換、4-メトキシ、3-アミド)に対して8-フェニルメントールのクロロまたはブロモ酢酸エステルを反応させることにより対応するキラルなピリジニウム塩を得た。これらを用いて種々に置換されたアルキリデンマロノニトリルとの、置換ピリジンが脱離基となるシクロプロパン化反応を試みた。まず、無置換ピリジンについて反応条件の検討をしたところ、塩基として水素化ナトリウムまたはトリエチルアミンが、溶媒としてジクロロメタンが良いことがわかった。そして、溶媒を変えることによる選択性の差は余り大きくないという結果となった。また、反応を追跡したところ、0゜Cでは数時間で反応が完了することが判明した。最適条件下においてトランス置換のシクロプロパンのみが得られ、ジアステレオ選択性はフェニルメチリデンマロノニトリルでは、83:17,t-ブチル置換体では、86:14となった。2置換のアルキリデンマロノニトリルでは選択性はほとんどなかった。無置換ピリジンでの最適条件を用いて4-メトキシピリジンでも検討したところ、反応が進行したが、選択性は最高73:27(t-ブチル置換体)と減少した。また、3-(N,N-ジエチルアミノカルボニル)ピリジンでも最高81:19(t-ブチル置換体)と無置換ピリジンに比べて劣る結果となったが、この場合-78゜Cでも反応が進行するようになった。X線結晶構造解析の結果、シクロプロパンのカルボキシル基の付け根の立体化学がRであることが判明した。
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