1999 Fiscal Year Annual Research Report
電気化学的に合成した表面構造規制異種金属単原子層のエレクトロキャタリシス
Project/Area Number |
11740377
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
田口 哲 北海道教育大学, 教育学部・札幌校, 講師 (60281862)
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Keywords | 電気化学 / 電極触媒 / 表面科学 / 単結晶電極 / 電析 / アンダーポテンシャル / UPD / 吸着アニオン |
Research Abstract |
本年度は,まず上記研究課題にむけての予備的検討をおこなった。はじめに,NO_3還元反応に対して触媒活性があると期待される,Au(111)電極へのCd UPDおよびZn UPDについて,溶液中のアニオン種の影響をサイクリックボルタンメトリーを用いて調べた。これは,アニオン種によっては,UPDにともない電極表面に吸着することでN O_3還元反応に対する触媒活性を阻害する可能性があるからである。研究の結果,次のことが明らかになった。 Cd UPDについては, 1. 過塩素酸イオンはUPDにともない電極表面に殆ど吸着しないが,硫酸イオンおよびリン酸イオンは強く吸着する。 2. 臭化物イオンも,UPDにともない電極表面に強く吸着する。 一方,Zn UPDについては, 1. 過塩素酸イオンはUPDにともない電極表面に殆ど吸着しないが,リン酸イオンは強く吸着する。硫酸イオンの吸着力は,過塩素酸イオンとリン酸イオンとの間にある。 2. Cd UPDとは異なり,臭化物イオンは,UPDにともない電極表面に殆ど吸着しない。 という事が明らかなった。UPD金属とアニオンとの共吸着は,下地金属とアニオンとの相互作用だけでなく,UPD金属とアニオンとの相互作用も強く影響することが分かった。 これらの研究結果を受けて,現在は,実際にこれら電極触媒上でのN O_3還元反応について調査中である。来年度は,さらに,他の低指数面やPt電極に系を拡張して,研究を進める予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S.Taguchi,R.Takeoka,M.Kondo: "A Comparative Study of Underpotential Deposition of Cadmium and Zinc on Au(III) : Effect of Adsorbed Anion"Proceedings of 196th Meeting of The Electrochemical Society, lnc.. 99・2. 2164 (1999)
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[Publications] S.Takahashi,K.Matsudaira,S.Taguchi,M.Kondo,K.Hasebe,A.Aramata: "Induced Phosphate Adsorption on Zinc Underpotential Deposition at Au(III) in the Presence of Halide lons in the Solution"Proceedings of 196th Meeting of The Electrochemical Society, lnc.. 99・2. 2170 (1999)
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[Publications] 田口哲: "単結晶電極表面上の異種金属単原子層形式機構に関する研究"(財)北海道科学・技術振興財団 研究報告書. 15 (1999)