1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11740379
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
宮原 隆 東北大学, 反応化学研究所, 助手 (20292302)
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Keywords | 核酸塩基 / 分子認識 / 表面力装置(SFA) / Langmuir-Blodgett法 / 電気二重層斤力 / 表面力測定 / ジアセチレン / 光重合 |
Research Abstract |
[核酸塩基修飾表面間の表面力測定]疎水末端に核酸基塩を有する両親媒性分子(19-(X)-10-oxanonadecyl)-hexadecyl-dimethylammonium bromide(1A:X=9-adeninyl,1T:X=1-thyminyl)を用いてLangmuir-Blodgett(LB)法により核酸塩基修飾表面を調製し、その表面間に作用する力を表面力装置(SFA)を用いて評価した。1A-1A膜間には、pH5.9より高いpH領域においてはほとんど表面力は作用しなかったが、pH5.2では表面間距離の減少に伴って指数関数的に増加する斤力が観察された。アデニンの共役酸のpK_aが4.3であることより、pH5.2では表面のアデニンがプロトン化し、電気二重層斤力が作用したためと考えられる。1T-1T膜間の場合、大気と飽和した純水中(pH5.9)では弱い斤力が観察されるのみであるが、pHが7.7、9.4と高くなるに伴って、斤力は増加した。これは、1A-1Aの場合とは逆に、チミンの脱プロトン化による電気二重層斤力と考えられる(チミンのpK_a:9.5)。また、1T-1T膜間には、低いpH領域においても(pH5.2)斤力が観察されたが、これは1T膜表面へプロトンが吸着したためと推察される。相補的な核酸塩基組み合わせである1A-1T膜間の場合には、2表面が同符号に荷電することがないため、観察したpH領域(pH5.2〜9.8)ではごく弱い斤力が観察されるのみとなった。さらに、より生体に近い分子認識部位を持つ両親媒性分子として疎水末端にヌクレオシドを有する(X)cabonylpentadecyl-hexadecyl-dimethylammonium bromide(2A:X=5'-O-(3'-deoxy)adenosy1,2T:X=5'-O-thymidyl)を合成した。LB法を用いて2より調製した単分子膜は、1膜と同様水中で安定でり、現在、SFAによる2膜間の表面力測定を検討している。 [安定な単分子膜の調製]親水末端に分子認識部位、重合基としてジアセチレンを有する両親媒性分子を合成した。この分子のLangmuir膜を光重合後、基板に移し取った単分子膜は幅広いpH(1-14)下で安定であり、現在、その分子認識能について調べている。
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Research Products
(1 results)