1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11740381
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
岸川 圭希 千葉大学, 工学部, 助教授 (40241939)
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Keywords | 液晶 / 強誘電性液晶 / 反強誘電性液晶 / 光学不活性 / ねじれの位置 |
Research Abstract |
本研究の目的は、光学活性でない液晶分子を設計・合成して、強誘電性の液晶相を作る方法を確立することにある。具体的には、2つの液晶発現部位(メソゲン)を共有結合により強制的にねじれの位置に配置し、立体配座的に光学活性な化合物を合成し、この分子の液晶相の性質を調査し、さらに構造の最適化を行い、優れた強誘電性液晶相を実現することにある。 本研究で設計した化合物は、(R^2O-C_6H_4-COO-C_6H_4-COO-C_6H_4-CO)_2NR^11、(R^2O-C_6H_4-COO-C_6H_4-CC-C_6H_4-CO)_2NR^12、及び、(R^2O-C_6H_4-COO-C_6H_4-CH_2CH_2-C_6H_4-CO)_2NR^13の3種類の化合物であり、その合成も完了した。偏光顕微鏡観察およびDSC測定をおこなったところ、化合物2はまったく液晶性を示さなかったが、化合物1と3のR^1=R^2=C_8H_<17>においては、安定な液晶相スメクティックAが観測された。さらに、粉末X線回折により、化合物1と3の液晶の集合状態を精査したところ、層の間隔が分子長よりもはるかに短いことが判明した。この液晶相構造は、上下の層で分子が互いに入り込み、高度な秩序を有する報告例のないスメクティックA相(当研究室で、スメクティックAp相と命名)であることがわかった。今後は、この相の詳細な構造解析および(反)強誘電性について調査を行う予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Keiki Kishikawa: "Self-Assembly of N, N'-Bis(2-tert-Butylphenyl)pyromellitic Diimide and Phenols or Indoles into a Piled Sandwich Structure"The Journal of Organic Chememistry. 60・20. 7568-7578 (1999)
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[Publications] 岸川圭希: "新しいクラスレートホスト分子の開発"千葉大学工学部研究報告. 50・1. (2000)