1999 Fiscal Year Annual Research Report
蛍光相関による高分子ゲル内における分子の拡散機構の研究
Project/Area Number |
11740384
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
角森 史昭 東京農工大学, 大学院・生物システム応用科学研究科, 助手 (60291928)
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Keywords | 蛍光相関法 / 拡散 / ゲル |
Research Abstract |
今年度の目標である,(1)定常光測定法による拡散係数測定装置の立ち上げ,(2)蛍光相関装置の立ち上げ,を実行し次のような成果を得た.また,(1)に関しては研究成果を原著論文をとして報告した. (1)定常光測定法による拡散系数測定装置の立ち上げ 顕微鏡のステージをステッピングモーターで移動しながら,顕微鏡観察を行なうシステムを開発した.これにより,直径5mmの円盤状ゲルの内部へ浸透する蛍光分子の濃度プロファイルを測定した.15分おきにプロファイルを観測するための自動制御システムを付加し,定常光測定法による拡散係数測定装置の立ち上げを完了した. 本装置を用い,異様材料として応用が期待されているPAIPAゲル内部の蛍光色素の拡散係数を観測し,ゲルの網目サイズと拡散係数の関係を議論した.その結果,ゲル中の蛍光色素の拡散係数は自由体積理論で見積もることができることがわかった. (2)蛍光相関装置の立ち上げ 本研究課題で申請した,Correlator.com 社製のコリレータを用いて,蛍光相関システムを開発した.Olympus製IMT-2のバックポートからレーザービームを導入し,NA0.95の対物レンズで集光することにより,3flの励起領域を実現した.また,浜松ホトニクス製の光電子増倍管からの蛍光パルスをコリレータに導入し,蛍光強度の自己相関関数を得た.現在,蛍光色素でラベルされたゼラチンのゾルゲル点移転近傍における,ゼラチン分子の拡散係数を観測している段階である.
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