2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11740390
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
竹下 道範 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (40274534)
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Keywords | ロタキサン / シクロデキストリン / フォトクロミズム / ジアリールエテン / 超分子 |
Research Abstract |
フォトクロミック化合物であるジアリールエテン誘導体を水中でシクロデキストリン空孔に包接させ、そのフォトクロミズムを検討した。また、有機溶媒中で水素結合によって分子間で超分子を形成するものと、分子内で形成するものを光照射によってスイッチする、フォトクロミックスイッチを持った水素結合性化合物の合成も検討した。 シクロデキストリン・ジアリールエテン錯体は、擬ロタキサン化合物であるが、ジアリールエテンの末端親水基及びシクロデキストリンのサイズによって、その包接挙動は異なった。即ち、末端がスルホン酸(イオン)の場合、β-及びγ-シクロデキストリン中では、光活性型コンフォメーションが安定となって、光閉環反応の量子収率が向上した。一方、末端がアンモニウムイオンの場合には、β-シクロデキストリン中では光活性型コンフォメーションが安定となって、光反応の量子収率が向上したのに対し、γ-シクロデキストリン中では低下した。これは、γ-シクロデキストリン中では光不活性型コンフォメーションが安定になるためである。 水素結合性超分子化合物は、フォトクロミック分子の両端に多点水素結合を行う置換基を導入し、光照射による分子構造変化に伴う分子間と分子内水素結合形成を、光によって制御することを目的とした。この化合物は合成が終了し、分子間/分子内水素結合形成の光スイッチングを検討している。これによって、ロタキサン化合物の光スイッチが可能であると考えられ、フォトクロミックロタキサン化合物の開発指針を示した。
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[Publications] M.Takeshita,M.Yamada,N.Kato,M.Irie: "Photochromism of Dithienylethene-bis (trimethylammonium) iodide in Cyclodextrin Cavities"Journal of the Chemical Society, Perkin Trans.2. 619-622 (2000)
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[Publications] M.Yamada,M.Takeshita,M.Irie: "Photochromism of Diarylethene Diammonium Derivative in the Cyclodextrin Cavity"Mol.Cryst.Liq.Cryst.. 345. 431-436 (2000)