1999 Fiscal Year Annual Research Report
イネのレトロエレメント、P-SINE1の発現制御の分子機構と、転移様式の研究
Project/Area Number |
11740415
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
土本 卓 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (60212057)
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Keywords | 植物 / 転移性遺伝因子 / レトロエレメント / 転写 / RNAポリメラーゼIII / DNAメチル化 |
Research Abstract |
1.イネにおけるp-SINE1RNA分子種の解析 (1)DNAメチル化阻害剤処理をしたイネOc培養細胞、およびイネ植物体(根、穂)におけるp-SINE1転写産物の配列を5'RACE-PCR法を用いて決定した。以前解析したDNAメチル化阻害剤処理をしないOc細胞の場合では、p-SINE1配列の5'端に付加配列を持つ産物が多く得られたが、本研究のDNAメチル化阻害処理をした細胞の場合は、p-SINE1のコンセンサス配列に近い配列を持ち、p-SINE1配列の5'端丁度から始まる産物が多く得られた。これは、コンセンサス配列に近い配列を持つp-SINE1メンバーからの転写が、DNAメチル化によって優先的に抑制されていることを示唆する。また、植物体の根と穂では、発現しているp-SINE1分子種の多くが異なっていたことから、p-SINE1メンバー間での発現の組織特異性に差があることが示唆された。 (2)primer extension法を用いてOc培養細胞で発現するp-SINE1RNAの5'端を解析した。その結果、5'端近傍から始まる転写産物と5'端に様々な長さの付加配列を持つ転写産物が存在することが示唆された。 2.p-SINE1配列の転写制御に関与するメチル化塩基の特定 bisulfite genomic sequencing法によって特定のp-SINE1ゲノムメンバーにおけるメチル化されている塩基を予備的に調べたところ、配列内の全てのCpGおよびCpNpG配列のシトシン残基がメチル化されていることが示唆された。
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