1999 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物葉緑体構成因子の遺伝子発現における核支配と逐次性
Project/Area Number |
11740434
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金丸 研吾 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助手 (90260025)
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Keywords | Arabidopsis / chloroplast / gene expression |
Research Abstract |
高等植物葉緑体の構成因子のうち、核コードのrbcs、cab(光合成系)sig、rpoTp(転写系)、ftsZ、minD(分裂系)などの遺伝子と葉緑体コードの遺伝子のrpoA、rbcL、psaA、psbA、psbD、petA、petB、atpA、atpB、atpF、atpH、atpI(光合成系)、rpoB、rpoC1(転写系)、ndhA(NADHデヒドロゲナーゼ)、clpP(プロテアーゼ)、accD(脂肪酸合成系)、rrn16(翻訳系)などの遺伝子を検出するためのDIG標識した一本鎖DNAプローブを作成した。これらを用い、シロイヌナズナ(WS)の発芽初期過程における発現機序をノーザン解析した。その結果、すでに種子中に蓄積しているものとしてPSIIのD1サブユニットをコードするpsbA、葉緑体DNAにコードされた遺伝子の中で最も発現量が多いrrn16があった。残りの遺伝子の転写産物はいずれも2日目から検出され、1日以上発現がずれるような逐次性は見られなかった。実際、緑化が起こるのは3日目前後の約12時間であり、この前後を重点的にもっと細かい2-3時間置きのサンプリングで解析する必要がある。また、暗下で発芽させてエチオプラストから葉緑体への分化過程(これもほぼ12時間で完了)における発現機序の解析も過程の同調性の面から有効と思われる。また初年度は特に核コードのシグマ因子群(sig 遺伝子)の発現について詳細に解析したが、それらの中では発芽のごく初期から発現しているものと一日程度遅れて発現が認められるものがあり異なるシグマ因子が逐次性をもって発現することと葉緑体分化の関係についてさらに解析を進める予定である。
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Research Products
(1 results)