1999 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物におけるミトコンドリアの雌雄性にかかわるタンパク質の探索
Project/Area Number |
11740436
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
高野 博嘉 熊本大学, 理学部, 講師 (70242104)
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Keywords | ミトコンドリア / 真正粘菌 / プラスミド / ミトコンドリア融合 / 雌雄性 |
Research Abstract |
我々はミトコンドリアの融合とミトコンドリアDNAの組換えにかかわるプラスミドmFを発見し、その解析を行なっている。このmFプラスミドはミトコンドリア内に存在する約16kbpの線状DNAである。既に、mFの全塩基配列を決定しており、DNAおよびRNAポリメラーゼと9つのORFを発見している。ORFのうち、アミノ酸数640個のORF640のコードするタンパク質は、4つの膜貫通領域と2つないし4つのコイルドコイル領域が推定され、ミトコンドリア融合のキータンパク質と予想される。ORF640pと相互作用する因子を同定し、ミトコンドリア融合の分子機構を明らかにするために、今年度はミトコンドリア内の候補遺伝子を探索する目的で、真正粘菌のミトコンドリアDNAの全塩基配列を決定した。真正粘菌のmt遺伝子には、置換型だけでなく、フレームシフトを伴う挿入型RNAエディティングが存在しているが、12のタンパク質遺伝子(cox1-3、cytb、atp6、9、nad1、3、4、5、7とrps12)、2つのrRNAと5つのtRNAを同定した。また、ORFの推定より、既知遺伝子と有意な相同性を持たない100アミノ酸以上のORFが20個存在することがわかった.これらのORFは既知の遺伝子の領域とはまったく重ならず、内14個が同方向で一領域に並んでいた。また、11個が膜貫通領域を、1つがコイルドコイル構造を持つと予想された。コイルドコイル構造持つORFのタンパク質とORF640pとがどのように関連しているか(もしくはしていないか)、またミトコンドリア融合とどのように関係しているかは今後の課題である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Sakurai R.: "In vitro comformation of mitochondrial DNA revealed by pulsed-field gel electrophoresis in the true slime mold, Physarum ploycephalum."DNA Research. 印刷中.
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[Publications] Abe,T.: "In vitro DNA fragmentation of mitochondrial DNA caused by single-stranded breakage during plasmodial senecence of the true slime mold, Physarum polycephalum."Current Genetics. 印刷中.
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[Publications] Itoh,R.: "Two ftsH-family genes encoded in the nuclear and chloroplast genomes of the primitive red alga Cyanidioschyzon merolae."Plant Molecular Biology. 41. 321-337 (1999)
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[Publications] Uchida,H.: "A pair of invertedly repeated genes in Chlamydomonas reinhardtii encodes a zygote-specifec protein whose expression is UV-sensitive"Current Genetics. 36. 232-240 (1999)
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[Publications] Miyazawa,Y.: "Auxin and cytodinin have opposite effects on amyloplast developmint and the expression of starch synthesis genes in cultured bright yellow-2 tobacco cells>"Plant Physology. 121. 461-470 (1999)