1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11740444
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
浅田 哲弘 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (90263201)
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Keywords | 細胞質分裂 / 細胞板 / 隔膜形成体 |
Research Abstract |
隔膜形成体における細胞板成分輸送の「試験管内再構成」と「可視化」が本研究の目標である。この目標を達成するため、細胞膜を透過性にしたタバコ培養細胞BY-2に蛍光標識したレクチンを導入する実験系を考案し、この系の確立に向けたいくつかの検討を平成11年度におこなった。まず初めに、細胞膜透過性細胞内で輸送現象を再構成することが可能か否かを調べたが、ここで注目すべき成果が得られた。それは、細胞膜透過性細胞にATPやGTPを導入すると、隔膜形成体の赤道部に未同定の物質の集積がおこることが分かったことである(この反応がおこった領域は、隔膜形成体微小管を間接蛍光抗体法で観察した際に、微小管染色がなされない領域として検出される)。このことは、細胞板成分を標識する手法さえ確立すれば、細胞膜透過性細胞を用いて細胞板成分輸送の再構成、可視化が可能になるとの期待を抱かせるものであった。第2の検討として、蛍光レクチンを用いて隔膜形成体内の細胞板成分を標識することが可能か否かを調べた。ここで問題となったのは、蛍光標識レクチンが細胞板成分(キシログルカン)以外の物質に対しても親和性をもつために、細胞膜透過性細胞に蛍光レクチンを導入すると細胞全体に信号が生じることであった。このことから、別の(細胞板成分の)標識手法を利用する必要性が生じた。今後は、細胞板成分の一つと推定されているカロース合成酵素のGFP融合蛋白質を利用した方策を検討する。
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