1999 Fiscal Year Annual Research Report
イネ酸素ストレス防御遺伝子の発現調節におけるレドックス制御
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11740448
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Research Institution | Kyoto Prefectural University |
Principal Investigator |
森田 重人 京都府立大学, 農学部, 助手 (20295637)
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Keywords | 酸素ストレス / 活性酸素 / レドックス制御 / シス-エレメント / スーパーオキシドディスムターゼ / チオレドキシン / グルタレドキシン / イネ |
Research Abstract |
イネにおいて酸素ストレスの防御に関与している3つの酵素、細胞質型スーパーオキシドディスムターゼ(SOD)、細胞質型チオレドキシン、グルタレドキシンのそれぞれの遺伝子の5-上流域には、非常に相同性の高い28bpの領域が存在している。これまでに筆者は、細胞質型SOD遺伝子のプロモーター領域のうち、この共通配列を含む77bpの配列がレドックス制御に関わるシス-エレメントであることを明らかにしている。本研究は、上記共通配列に結合するトランス因子の単離とキャラクタリゼーションを目的としているが、それに先立って平成11年度には次のような実験を行った。 1 上記細胞質型SOD遺伝子プロモーターの77bpの配列のうち、シス-エレメントとして機能する配列の特定を行った。チオレドキシン遺伝子、グルタレドキシン遺伝子においても保存されている28bpの共通配列を、CaMV35Sプロモーターとルシフェラーゼの融合遺伝子の上流に連結したレポーターコンストラクトを作製した。これをイネカルスに導入しトランジェントアッセイを行った結果、28bp共通配列がスーパーオキシドに応答するシス-エレメントであることが明らかとなった。 2 イネ核抽出物をSDS-PAGEで分画後Southwestern blotを行い、上記28bp共通配列をプローブとしてメンブレン上での結合アッセイを行った。その結果、この共通配列に結合する17kDaと24kDaの2種類の核タンパク質が検出された。
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[Publications] Morita et al: "Induction of rice cytosolic ascorbate peroxidase mRNA by oxidative stress; the involvement of hydrogen peroxide in oxidative stress signalling"Plant Cell Physiol.. 40. 417-422 (1999)
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[Publications] Kaminaka et al: "Differential gene expressions of rice superoxide dismutase isoforms to oxidative and environmental stresses"Free Radic. Res.. 31S. 219-225 (1999)
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[Publications] 森田重人、田中國介: "植物の活性酸素消去系の遺伝子発現とストレス耐性"蛋白質核酸酵素. 44. 2232-2238 (1999)