2000 Fiscal Year Annual Research Report
cGMP合成酵素(GC)の分子種から見た脊椎動物進化に伴う松果体機能の変化の研究
Project/Area Number |
11740452
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
春見 達郎 旭川医科大学, 医学部, 助手 (00261404)
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Keywords | 松果体 / グアニル酸シクラーゼ / ヤツメウナギ |
Research Abstract |
細胞内二次伝達物質であるcGMPはグアニル酸シクラーゼ(GC)によって合成される。GCは膜結合型と細胞質内型の2種類に分類され、前者は更に心房性Na利尿ペプチド受容体型のGC-A及びGC-B、耐熱性エンテロトキシン受容体型のGC-C、嗅覚器に発現するGC-D、眼に発現するGC-E及びGC-F等に分類されている。本研究では眼と松果体に発現するGC分子の分子種を哺乳類と円口類で比較した。 GC遺伝子の相同性の高い領域である触媒領域でデジェネレートプライマーを設計し、ヤツメウナギ松果体及び眼からtotalRNAを抽出し、RT-PCRを行った。その結果、眼から343残基のPCR増幅物が得られた。そのシークエンスを行い配列の相同性を検索したところ、GC-Eと相同性が高かった。中でも、ニワトリと87%、ウシと85%、ラットと83%、マウスと81%等の様に、哺乳類や鳥類との相同性が高かった。それに対して、魚類のメダカの眼に発現するGCとの相同性は80%以下であった。また、マウス松果体から得られたtotalRNAをヤツメウナギで用いたデジェネレートプライマーでRT-PCRを行ったところ、GC-BとGC-Eの2種のGC分子が得られた。その配列分析を行ったクローンの数から、松果体ではGC-EよりもGC-Bが圧倒的に多く発現している事が推測された。ヤツメウナギ松果体でGCが発現しているか否かは今後の問題として残っている。
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[Publications] T.Harumi & S.Matsushima: "Separation and Assay Methods for Melatonin and Its Precursors"Journal of Chromatography, B. 747. 95-110 (2000)
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[Publications] T.Harumi & S.R.Pandi-Perumal: "Application of the Chromatographic Technique to the Analysis of Melatonin and Its Related Indoleamines""The Pineal Organ : A Comparative Perspective", Narosa Publisher Ltd.. (in press). (2001)