2000 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子相補性試験によるクラミドモナスのチャンネル遺伝子の単離と解析
Project/Area Number |
11740457
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉村 建二郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (10230806)
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Keywords | クラミドモナス / リン酸トランスポーター / リン酸欠乏 / 発現 / リン酸代謝 |
Research Abstract |
細胞の物質代謝にはいろいろな種類のトランスポーターが関与している。本研究では前年度の研究により得られたクラミドモナスのリン酸トランスポーターの遺伝子の解析を行った。 カリウムトランスポーターのノックアウト大腸菌をレスキューする遺伝子として単利されてきたcDNAは部分配列であったので5'RAXCEにより全長を決定した。全体として625アミノ酸の分子量約67KDaの蛋白であった。この配列を元に遺伝子データベースを検索したところクラミドモナスのESTライブラリに約80%の相同性のある遺伝子が登録されていることが分かった。これが、使っているstrainの違いによるかどうかをRT-PCRにより検討したところ、現在我々が使っているstrainには両方の遺伝子があることが判明した。そこで、ESTに登録されている5'側の配列を元に3'RACEにより第2の遺伝子の全長(600アミノ酸)を決定した。 これら2つの遺伝子はともにナトリウム駆動性のリン酸トランスポーターと相同性が高く、プロトン駆動性のリン酸トランスポーターとは相同性が低かった。一般に植物ではナトリウム駆動性のリン酸トランスポーターの存在を疑問視されていることから、原生生物で葉緑体があるクラミドモナスがナトリウム駆動性のリン酸トランスポーターを持っていることは進化を考える上で興味深い。 今回同定できたリン酸トランスポーターの発現様式を調べたところ、リン酸欠乏培地にクラミドモナスを移すとmRNA量が約8時間後に約8倍に増えることが分かった。従って、機能的にも活性のあるリン酸トランスポーターであろうと推論できた。
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[Publications] N.Isogai,R.Kamiya,and K.Yoshimura: "Dominance between the two flagella during phototactic turning in Chlamydomonas"Zool.Sci.. 17. 1261-1266 (2000)
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[Publications] Nakamura,,,,Yoshimura,Kubota and Watanabe: "A Chlamydomonas reinhardtii mutant with multiple eyespots"Phycol.Res.. (印刷中). (2001)
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[Publications] K.Yoshimura,A.Batiza,and C.Kung: "Chemically Charging the Gate Opens the Mechanosensitive Channel MscL"Biophys.J.. (印刷中). (2001)