2000 Fiscal Year Annual Research Report
膜結合型アミノペプチダーゼファミリーに属する新規酵素類の生理的役割の解明
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11740463
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
松本 英子 理化学研究所, 細胞生化学研究室, 基礎科学特別研究員 (00312257)
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Keywords | 胎盤性ロイシンアミノペプチダーゼ / オキシトシナーゼ / 脳・神経系 / PC12細胞 / 脂肪細胞由来ロイシンアミノペプチダーゼ / 腎臓 |
Research Abstract |
妊婦血中の酵素、胎盤性ロイシンアミノペプチダーゼ(P-LAP、オキシトシナーゼ)は、オキシトシンレベルの調節を通じて妊娠の維持に働く。当グループが行ったcDNAクローニングにより、P-LAPはアミノペプチダーゼAやアミノペプチダーゼNなどと、一次構造上の相同性が高く、活性中心に亜鉛分子を共通してもつ一つのファミリーをなすことが示されるとともに、非妊娠時にも種々の組織で発現していることが判明し、多様な機能をもつことが示唆された。前年度の研究より、P-LAPはMet-エンケファリンやニューロキニンAなどの神経ペプチドをも分解することが判明し、脳・神経系においても重要な機能を担う可能性が示唆されたため、本年度はその解明を目指し、P-LAPの脳・神経系における発現について詳しく調べた。 P-LAPタンパク質の発現は、ラット脳内の広い部域で神経細胞のみに認められた。またラット培養神経細胞PC12では、分化に伴いP-LAPの発現が約2.5倍上昇した。この細胞でP-LAPは膜画分に存在し、免疫染色により神経突起および神経細胞体中にドット状のシグナルが確認されたため、ベシクルの膜に存在することが示唆された。またアデニル酸シクラーゼの活性化剤フォルスコリンによる刺激で、細胞表面P-LAPが約30%増加したため、P-LAPはフォルスコリン調節性ベシクルに存在すると考えられた。一方、ブレフェルジンA処理により細胞表面P-LAPは約二分の一に減少し、P-LAPが局在するベシクルはトランスゴルジネットワークに関与していることが示唆された。 一方、同じファミリーに属し、P-LAPと特に相同性が高い脂肪細胞由来ロイシンアミノペプチダーゼは、組み換え型タンパク質にアンギオテンシン分解作用とキニン変換作用が認められ、腎臓の遠位尿細管および集合管に発現していたことから、血圧調節に関与している可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hattori A,Kltatani K,Matsumoto H,Miyazawa S,Rogi T,Tsuruoka N,Mizutani S,Natori Y,Tsujimoto M.: "Characterization of recombinant human adipocyte-derived leucine aminopeptidase expressed in Chinese hamster ovary cells"Journal of Biochemistry. 128(5). 755-762 (2000)
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[Publications] Matsumoto H,Hattori A,Mizutani S,Tsujimoto M.: "Cleavage of peptide hormones by placental leucine aminopeptidase/oxytocinase.In : Cell-surface aminopeptidases : Basic and clinical aspects.Eds.by Mizutani S,Turner AJ, Nomura S,Ino K."Elsevier Science (in press). (2001)
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[Publications] Tsujimoto M,Matsumoto H,Hattori A.: "Biochemical characterization of placental leucine aminopeptidase/oxytocinase and its related enzyme, adipocyte-derived leucine aminopeptidase.In : Cell-surface aminopeptidases : Basic and clinical aspects.Eds.by Mizutani S et al."Elsevier Science (in press). (2001)