1999 Fiscal Year Annual Research Report
エノキグサ亜科の種子(胚珠)の比較形態学ートウダイグサ科の分類の再構築をめざして
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11740470
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
徳岡 徹 京都大学, 総合人間学部, 助手 (90303792)
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Keywords | トウダイグサ科 / コミカンソウ亜科 / 生殖器官の解剖学 / 系統分類学 |
Research Abstract |
1.外群の一つであるコミカンソウ亜科の種子と胚珠の解剖学とその分類学的意義についてまとめた。その結果、コミカンソウ亜科は全て内珠皮が薄い、内珠皮に維管束がない、仮種衣がない、パキカラザはない、という点で共通していた。しかし、内種皮外層の構造に変異が見られ、内種皮外層の構造に6つのタイプが見られることがわかった。以上の結果をまとめ、日本植物学会誌に投稿した(審査中)。 2.コミカンソウ亜科、ポランセラ属の生殖器官の解剖学とその分類学的意義についてまとめた。コミカンソウ亜科の胚珠と種子の解剖学から、コミカンソウ亜科の中で特異な種皮の構造を持つポランセラ属について更に詳細に生殖器官の解剖学特徴について調査した。その結果、オブチュレータがないこと、ヌセラービークができないこと、の特徴から他のコミカンソウ亜科とは大きく異なっていることが明らかになった。以上の結果をまとめ、日本植物学会誌へ投稿準備中である。 3.外群の一つであるトウダイグサ亜科の種子と胚珠の解剖学とその分類学的意義についてまとめた。その結果、トウダイグサ亜科はすべて内珠皮は厚い、パキカラザはない、内種皮外層が柵状になる点で非常に均質なまとまりを作っていることが明らかになった。しかし、内珠皮に維管束の有無、仮種衣の有無で亜科内に変異が見られた。この特徴から亜科内に3つのグループを見いだすこができた。以上の結果をまとめ、日本植物学会誌へ投稿準備中である。 4.エノキグサ亜科の種子と胚珠の切片約5千枚を作成し、観察を行った。その結果、エノキグサ亜科には内珠皮の厚さ、内珠皮の維管束の有無、内珠皮外層の構造に変異が見られた。この結果からこれらの形質の分類学的意義について考察を行っている。この結果は来年度に行われる植物学会で報告し、日本植物学会誌に投稿する予定である。
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