1999 Fiscal Year Annual Research Report
画像解析による南太平洋集団の上顎切歯の形態に関する研究
Project/Area Number |
11740478
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
松野 昌展 日本大学, 松戸歯学部, 助手 (10297848)
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Keywords | 三次元計測 / 上顎中切歯 / 画像解析 / ポリネシア / メラネシア / ミクロネシア |
Research Abstract |
現代人上顎切歯舌側面の形態を、レーザー三次元計測機を用いて解析した。 資料:日本大学松戸歯学部第一解剖学教室所蔵の現代人石膏模型 メラネシア:フィジー、パプアニューギニア ポリネシア:サモア ミクロネシア:キリバス、パラオ 方法:レーザー三次元計測機を用いて上顎中切歯舌側面の三次元データを取り込み、下記の項目を計測した。 計測項目:歯冠面積、舌側面の面積、歯冠面積に対する舌側面面積の割合、基準面(基底結節と左右切縁隅角部、あるいは辺縁隆線最高点)に対する舌面窩の深さ、基底結節と辺縁中点を通る断面における歯頚線から基底結節、最深点、切縁側における窩の最高点までの距離、歯全体としての最深点の相対的な位置を計測した。 結果:歯冠面積はサモアが他の集団と比較して有意に小さかった。歯冠面積に対する舌側面の面積の割合はパプアニューギニアが有意に小さかった。断面における切縁までの距離はキリバス、パプアニューギニアが有意に大きかった。断面における最深点までの位置はキリバスが有意に大きく、最深点の相対的な位置は歯冠の中央(0.57〜0.49)に位置していたが最深点の位置が大きいほど相対的に切縁側に位置していた。 考察:歯頚線から切縁付近までの距離はキリバスが最も大きいが、歯冠面積は他の集団との有意差は見られなかった。肉眼的にも確認できることであるが、キリバスの歯冠は細長い事が計測的にもわかった。歯冠面積に対する舌側面の割合で、パプアニューギニアが有意に小さい事は、辺縁隆線の位置、基底結節の形態などを検討することによって明確になるものと思われる。
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