1999 Fiscal Year Annual Research Report
3者の相互作用による相性の生じ方:各々は仲の良い霊長類3者がなぜうまくいかないか
Project/Area Number |
11740480
|
Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
小川 秀司 中京大学, 教養部, 助教授 (80293976)
|
Keywords | 3者関係 / 相性 / 泊まり場 / さるだんご / 配置 / 相互作用 / チベットモンキー / ニホンザル |
Research Abstract |
本研究では、霊長類のどのような3者が頻繁に三角形に位置して互いに身体接触させるかを記録し、3者のくっつきやすさに影響する要因を解析して、3個体に相性の起こるしくみを考察した。 チベットモンキーやニホンザルなどの霊長類は特に寒冷時の泊り場において暖をとるめに何頭かが互いに身体を接触させてかたまる。このかたまりをさるだんごと呼ぶ。さるだんごの配置や日中の社会交渉における親密さから予想される各2者のくっつきやすさから、さるだんご内で各3者が三角形にくっつく期待値を算出して、実測値と比較した。すなわち、2者のくっつきやすさの割に頻繁にくっついている3者と、逆に2者のくっつきやすさの割にはあまりくっついていない3者を洗い出した。その分析によって以下の結果を得て著書で報告した。 1.3者中の各2者の組み合わせがいずれもくっつきやすい3者ではくっつく頻度が多かった。それに対して、いずれかの組み合わせにくっつきにくい2者を含む3者ではくっつく頻度が少なかった。 2.性別で分析すると、交尾期にはおそらくメスを巡るオス間の競合のために、オスとオスの2者がくっつくことは少なくないにもかかわらず、オス-オス-メスのくっつき方は少なくなった。それに対して、出産期にはおそらくメスを巡るオス間の競合が低くなるために、オス-オス-メスのくっつき方が多くなった。 この発見は人間関係にも応用できる発想につながると期待されるが、うまく行っていない2者を含む複数個体内で円滑な人間関係を形成させて行くためのヒントを他の霊長類の社会交渉からどのように得るかは今後の課題である。
|
-
[Publications] 小川秀司,伊谷原一,金森正臣: "タンザニアのウガラの疎開林地帯におけるチンパンジーの生息地"霊長類研究. 15(2). 135-146 (1999)
-
[Publications] 小川秀司: "たちまわるサル-チベットモンキーの社会的知能-"京都大学学術出版会. 276 (1999)