1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11750012
|
Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
大島 直樹 山口大学, 工学部, 講師 (70252319)
|
Keywords | 窒化物半導体 / Si / GaN / ヘテロエピタキシー / AlN |
Research Abstract |
GaNに代表される窒化物半導体は、青色発光ダイオードや青色レーザーダイオードなどの短波長発光素子用材料として活用されている。しかしながら、GaNには、それ自身の単結晶基板が存在しないために、サファイア基板やSiC基板を基板結晶材料として用いている。このことが、GaN系窒化物半導体素子の製造コストを高くしまた加工性を低くしている一つの原因である。 本研究では、低コストで大面積の擬似的なGaN結晶基板を開発する基板技術の開発を目的とする。具体的にはSi基板を用いて、その上に高品質なGaN層をヘテロエピタキシャル成長する。Si基板を用いる場合には、Si材料が活性なため、窒化物半導体の構成元素である窒素と激しく反応(Si基板の窒化反応)を起こし、GaN材料の直接的なヘテロ成長を行うことが困難である。そのため、本研究では、薄いAlN膜をバッファー層に用いることとγ-アルミナ層をバッファー層に用いることの二つの方法を試みた。AlとSiを比較すると、窒素との反応性という点に置いて、Alの方がSiより窒素と結びつきやすいという性質を持っていると期待できる。そこで、Alと窒素を交互に供給するマイグレーション・エンハンスト・エピタキシー法を用いて、5分子層のAlN層を形成し、バッファー層とした。その上にGaN層の成長を行った結果、平坦なGaNエピ層を得ることができた。またγ-アルミナ層をバッファー層に用いた場合には、Si基板の窒化反応を抑制することが容易である。またSOI構造を簡単に作成することができるという利点をもつ。ところが、γ-アルミナ/Si基板上では、GaN層はヘテロエピタキシャル成長するものの、AlN層をバッファー層として用いた場合に比べて、平坦性がよくないという結果を得た。今後、さらにGaN層の膜厚を増やし、結晶品質がどこまで改善できるか、詳細に調べる予定である。
|