1999 Fiscal Year Annual Research Report
エピ機構による分子制御とナノ領域での光・電子機能発現
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11750013
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
石田 謙司 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (20303860)
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Keywords | 分子エレクトロニクス / 分子制御 / エピタキシャル成長 / 有機分子 / 強制電性 / 局所分極 / ナノスケール |
Research Abstract |
本研究は分子エレクトロニクスデバイスの開発を念頭に置いて有機分子の、特にナノスケールでの、構造・配向制御と機能発現を目的としている。本年度は、有機強誘電性ビニリデンフルオライド(VDF)オリゴマーのエピタキシャル成長による構造・配向・コンフォメーション制御と局所領域における強誘電特性の発現について検討した。 試料は真空蒸着法により各種単結晶(KCI,NaCl,KBr,Si,Au/mica,Pt/MgO)基板上に薄膜作製し、エネルギー分散型全反射X線回折計及び原子間力顕微鏡、フーリエ変換赤外分光法により構造・配向評価した。その結果、VDFオリゴマー薄膜では、VDFオリゴマーがKBr(001)、KCl(001)基板上では強誘電結晶相であるI型を形成し、且つエピタキシャル成長することが分かった。そこで、このエピ薄膜を金基板上に水中転写し、導電性AFM深針を用いた局所分極領域の作製とその観測を行った。まず、転写による膜構造の変化を調べるため、金基板上に転写したVDFオリゴマー膜をXRD,FT-IRにより評価した所、転写後も強誘電性結晶相を保持していることが分かった。そこで、導電性AFM深針を用いて局所的に直流電圧を印可してポーリング処理を行い、分極領域の検出を試みた。分極域の検出はAFM深針と下部電極間に加えた余弦電圧に対する微小圧電応答をロックイン検出し、その信号を2次元画像化することによりおこなった。なお、膜厚を30mm(43分子層)と仮定すると、深針直下では約250MV相当の電界が印可されたことになる。得られた圧電応答特性では、ポーリング電圧の極性に依存した圧電振動コントラストが得られ、VDFオリゴマーの局所的分極反転操作に成功すると共に強誘電特性を初めて証明できた。これらの結果はVDFオリゴマーのナノスケール電子機能発現の可能性を示唆している。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 石田謙司: "エネルギー分散型極低角入射X線回折法による超薄膜回折線の3次元マップ"X線分析の進歩. Vol.30. 177-188 (1999)
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[Publications] 石田謙司: "配向成長したオリゴシラン超薄膜の光学特性"電子情報通信学会技術研究報告. Vol.10. 49-52 (1999)
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[Publications] Kei Noda: "Structures of vinylidene fluoride oligomer thin films on alkali halide substrate"Journal of Applied Physics. Vol.86,No.7. 3688-3693 (1999)
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[Publications] 石田謙司: "エネルギー分散型表面回折法による無機・有機薄膜の構造・配向解析"電子情報通信学会技術研究報告. Vol.99,No.185. 51-56 (1999)