2000 Fiscal Year Annual Research Report
有機金属分子線エピタキシー法による立方晶窒化ガリウムの結晶成長機構の解明と応用
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11750014
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
須田 淳 京都大学, 工学研究科, 助手 (00293887)
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Keywords | 窒化ガリウム / 分子線エピタキシー / ポリタイプ / 成長機構 / 立方晶 / 有機金属 |
Research Abstract |
トリエチルガリウム(TEGa)とrfプラズマ励起活性窒素(N^*)を原料に用いた有機金属分子線エピタキシャル(MOMBE)成長における、窒化ガリウム(GaN)の結晶成長機構を活用して新規な構造を作製することをめざして研究を進めた。 立方晶シリコンカーバイド(3C-SiC)の(001)面方位を基板として用いて結晶成長を行ったところ、基板による構造引き込み効果により、サファイア基板上の場合よりもより広い成長条件で立方晶GaNが得られることが分かった。また、3C-SiC基板上においてはGaNの核形成が抑制されることが分かり、連続膜を得るためには低温バッファ層が不可欠であることが判明した。そこで、成長初期の核形成を制御すれば、任意の場所に立方晶の結晶を得ることができると考え、選択成長を試みることにした。 3C-SiC基板を酸素雰囲気中で1000℃以上に加熱し、表面に酸化膜を形成した後、集束イオンビーム描画装置を用いて、酸化膜の一部を極微細な領域に限って除去し、真空トンネルを通じて直ちに結晶成長装置に搬送、GaNの結晶成長を行った。最適化した成長条件で、酸化膜の除去された開口部のみにGaNの核形成、結晶成長を起こすことに成功した。ただし、有機金属化学気相堆積(MOCVD)法で報告されているような横方向成長は確認されず、微小結晶が密集して存在する結晶成長形態であることが分かった。また、微小結晶は立方晶であり、{111}ファセットを側面に有していることが確認された。成長時間や開口部のサイズ調整などを行うことで、幾何学的に対称性を持つ微小結晶を平面に規則的に並べることができると考えられる。このような構造は、電子エミッタやフォトニック結晶などに応用可能と考えられる。
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Research Products
(1 results)