1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11750033
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
加藤 暢宏 近畿大学, 生物理工学部, 助手 (60309268)
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Keywords | 原子間力顕微鏡 / フォース・フィードバック / コンタミネーション / 力平衡 / 真空 / 静電アクチュエータ / 遮断周波数 / 光ファイバ |
Research Abstract |
本年度は力平衡型原子間力顕微鏡の変位測定系および制御系の高速化を各個の構成要素レベルで達成した。現在は装置を組み上げ、大気中で力制御を行ってForce Curveを測定する実験を行っている。過去の研究ではこのような状況下では凝着力の非常に大きいForce Curveが測定されている。本装置ではSi_3N_4探針とSiO_2試料間のForce Curveの測定データが得られたが、S/N比が悪く再現性に乏しい。制御系の帯域を変化させ安定性の検証を行うためには、この測定自体が安定して行えることが必要であり、原因の究明を急いでいる。考えられる要因としては、光ファイバとカンチレバーの間の距離が数十μmと大きいため、等価的に制御系のゲインが不足していることがあげられる。これは両者の距離を近づけることで解消される見通しである。また、光ファイバの接合部分でレーザ光の減衰を最小限に留めるためにユニバーサルコネクタを挿入した。一方、装置の主要部分を真空中に置き、コンタミネーションの影響を軽滅すべく装置の準備を進めている。真空チャンバ(アクリル製デシケータ、光ファイバー・フィードスルー、電気系フィードスルー、真空ポンプ、置換用窒素ガスなどで構成)を用意したが、電気系のフィードスルーの製作に手間取り、現在のところ真空中での実験は実施できていない。早急にチャンバを完成させ、装置を真空中に移行し、前述の制御系の調整が済み次第、真空中でのForce Curveの測定実験を行う予定である。
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