1999 Fiscal Year Annual Research Report
微粒子の光トラップ・回転操作のための高次ラゲールガウスビームの生成
Project/Area Number |
11750036
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
宮本 洋子 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (50281655)
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Keywords | ラゲールガウスビーム / ドーナツビーム / 位相特異点 / ホログラム / 回折光学素子 / 電子線リソグラフィー / 光トラップ / 回転操作 |
Research Abstract |
微粒子の光トラップ・回転操作への応用を念頭に、2次以上の高次の位相特異点を持つラゲールガウス(LG)ビームを効率よく生成することを目指し、以下の研究を行った。 1.(LGビーム生成用ホログラムの設計)次数によらない一般的なアルゴリズムにより、高次のLGビーム発生用のホログラムの設計を行った。回折効率を高くするために、ブレーズ状位相ホログラムを採用し、4段の階段構造でブレーズを近似した。ホログラム中心部分については特別な処理を行わず、電子線露光装置の露光位置指定精度より小さい構造を無視する方法を採用した。 2.(ホログラムの試作)電子線露光装置を用いて、位相ホログラム試作を行った。ガラス基板状に電子線露光用レジストをスピンコートし、設計したパターンを電子線で描画した後に現像し、透過型の位相ホログラムを得た。さらに表面に金属を蒸着することで、反射型ホログラムも作成した。次数は1、2、3、4、5、6、8、10次のホログラムを作成した。 3.(生成されたビームの評価)作成されたホログラムを使ってLGビームを生成し、回折効率を測定した。最大値は、透過型ホログラムで56.8%、反射型で64.4%である。CCDカメラシステムを用いて強度分布を記録するとともに、平面波との干渉パターンから波面の形状を明らかにした。高次のビームは一般に異方性が強く、位相特異点の分裂が見られた。また、中心の光強度の低い部分に、環状の構造とそれに伴う位相の跳びが観察される場合があり、これはホログラムの縁に当たった光による回折であることを明らかにした。実験は主としてヘリウムネオンレーザー(赤色光)で行ったが、緑色及び赤外光でも基礎的な実験を行った。
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[Publications] Y.Miyamoto,M.Masuda,A.Wada and M.Takeda: "Electron-beam lithography fabrication of phase holograms to generate Laguerre-Gaussian beams"Proceedings of SPIE. 3740. 232-235 (1999)
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[Publications] 宮本洋子,増田満俊,和田篤,武田光夫: "位相ホログラムを用いたラゲールガウスビームの発生II"日本物理学会講演概要集. 54・2. 94 (1999)
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[Publications] 和田篤,増田満俊,大谷巧,宮本洋子,武田光夫: "ラゲールガウスビームの発生のための位相ホログラム素子の作成(II)"日本光学会Optics Japan'99講演予稿集. 441-442 (1999)