2000 Fiscal Year Annual Research Report
新方式の可変波長中赤外全固体レーザー光源に関する研究
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11750044
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
VASA Nilesh J. 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教授 (40294904)
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Keywords | 固体レーザー / 可変波長レーザー / Cr^<3+>:LiSrAlF_6レーザー / 非線形光学 / 差周波発生(DFG) / 周期分極反転(PPLN) |
Research Abstract |
近年、中赤外域の2-5μm波長範囲で同調可能なコヒーレント光源が、環境センシングや微量ガスのモニタリング、高分解能を要する分光分析など様々な分野で求められている。そのような分光用中赤外光源として,差周波発生(DFG:Difference Frequency Generation)による光源を用いることが考えられる。DFGとは非線形結晶において2つの異なるレーザー光源を混合することで、位相整合条件を満たす差周波出力が得られる。 本研究では、(1)新方式の全固体可変波長Cr^<3+>:LiSAFレーザーの開発を行い、(2)全固体可変波長CWのCr^<3+>:LiSAFレーザー(810-840nm)と半導体レーザー(1020nm)を非線形周波数混合により周期分極反転LiNbO_3(PPLN:Periodically Poled Lithium Niobate)結晶中の差周波発生によるContinuous wave(CW)中赤外光源の特性を調べた。 本年度得られた研究成果は以下の通りである。 1.半導体レーザー(680nm)励起による新方式のCr^<3+>:LiSrAlF_6レーザーを用いることで19%という高いslope効率の狭いスペクトル幅の発振が得られた。また同調範囲は810-840nmまで得られた。 2.全固体の狭帯域化された半導体レーザー励起Cr^<3+>:LiSAFレーザー(810-840nm)と半導体レーザー(1020nm)をグレーティング周期22.2μmのPPLN結晶内で混合することにより、CW単一モードの全固体可変波長中赤外コヒーレント光源を実現した。Cr^<3+>:LiSAFレーザーを同調し、PPLN結晶の温度を20から40℃まで変えることにより4.01から4.55μmの広い同調域が得られた。 3.PPLN結晶の適切なグレーティング周期(21.85μm)を選び、Cr^<3+>:LiSAFレーザーの同調範囲を広くすると、3.6から5.1μmのさらに広い同調範囲が期待できることがわかった。
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[Publications] Nilesh J.Vasa 他5名: "Tunable difference frequency generation using spectrally narrowed Cr^<3+>:LiSrAlF_6laser and periodically poled LiNbO_3"Technical Digest of Conference on Lasers and Electro-Optics (CLEO 2000). 550-551 (2000)
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[Publications] Nilesh J.Vasa 他4名: "Widely tunable difference frequency generation in periodically-poled LiNbO_3 using an all-solid-state Cr^<3+>:LiSrAlF_6 laser"Japanese Journal of Applied Physics. 39. L800-L802 (2000)