1999 Fiscal Year Annual Research Report
光コヒーレンストモグラフィ技術を用いた脳の高次視覚機能の高分解能計測
Project/Area Number |
11750048
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
ウマ マヘスワリ R. 理化学研究所, 脳統合機能研究チーム, 研究員 (40270706)
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Keywords | OCT / 内因性信号 / 散乱係数 / 神経活動 / 低コヒーレンス干渉 / 増感剤 |
Research Abstract |
露出した動物の脳表面から、神経活動に伴う反射光の変化として神経活動を捉える方法がある。この方法で得られるのは2次元パターンであるが、それをさらに発展させて、脳表面から2mmの深さまでの神経活動を3次元的にとらえる手法を開発することが本研究の目的である。 神経活動は組織の屈折率を変化させることが知られている。その実体としては、神経活動に伴ってグリア細胞が膨らむ、血流変化に伴う血球の集散の変化、血液量変化に伴う毛細血管の直径の変化などいくつかの要因が考えられているがその起源は十分に解明されていない。本研究では、神経活動時と活動前の脳表面の3次元像をオプティカルコヒーレンストモグラフィー法(OCT)を用いて捉え、屈折率の変化による映像のひずみとして、神経活動部位を可視化することを試みる。 期待される屈折率の変化は僅かなので信号を増幅することが望ましい。平成11年は、外部より金属イオンを組織に注入して組織の光学的性質を変化させる方法を考案し、モンテカルロシュミレーションによって検討した。金属イオン(金コロイド)を組織中に注入する(実際には、静脈より注入する)と非等方性散乱係数が減少した。さらに、この散乱係数の変化は屈折率変化によるOCTの信号を20倍増大させることが明かとなった。このシュミレーションの結果は、この方法が神経活動に伴なう屈折率変化を有効に捉えるための有力な手段であることを示している。
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Research Products
(1 results)