1999 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ繊維分散熱可塑母相系複合材料の熱・塑性構成則モデルに関する研究
Project/Area Number |
11750083
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
呉 亜東 九州工業大学, 情報工学部, 助手 (60304870)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小金丸 正明 福岡県工業技術センター, 研究員
中垣 通彦 九州工業大学, 情報工学部, 教授 (90207720)
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Keywords | 複合材料 / 弾塑性 / 熱挙動 / 理論モデル / 計算力学 / 均質化法 |
Research Abstract |
現在、航空・宇宙開発、電気、自動車等の分野で用いるため、高機能性繊維分散複合材料の研究開発が進められている。中でも、マイクロ繊維を分散させた複合材料にかかる期待は大きく、これらの材料の応力緩和性、強度などの向上を図る材料設計において、理論解析モデルは重要不可欠な手段である。国内外で現存の理論の中では平均場理論を用い、繊維強化材料の構成則を構築する手法が最も多い。これらの理論では複合材料内部にあるマイクロ繊維と母相材料の平均熱・弾塑性挙動が単一材料と等しいと考える。それに対して、本研究では、繊維分散複合材料に関する研究を進めて行く上で、複合材料の微視的な構造により複合材料の繊維と母相の平均構成関係が単一材料と大きく異なることを発見した。さらに、理論解析とメゾ解析により複合材料の微視的な構造が複合材料の巨視的熱・弾塑性挙動に大きな影響を与えることも確認した。したがって微視的に複雑な現象が存在する複合材料の繊維と母相の平均構成関係が単一材料と等しいと考える従来のモデルでは、複合材料内部の局所的な干渉をモデル化する事ができず、熱・塑性問題に適用することもできない。そのため、本研究では複合材料内部の微視的複雑な現象を考慮し、新たな構成則モデルを開発した。まず本研究でマイクロ繊維分散複合材料の弾性問題について、適用範囲が著しく限定されている従来のモデルと比べ、繊維の広範な体積分率、また繊維と母相の剛性比の全範囲(0から∞)に亘って、高い精度と広範な適用性を持つSCCモデルを構築した。さらに、繊維分散複合材料の熱塑性問題について、国内外で行った従来の研究が解決できない局所的応力の分布の影響をモデル化した局部剛性法(Local Rigidity Method)と言う新しいモデルを提案した。また本理論モデルを用い、多様で複雑な分布状態を持つ熱膨張率・熱伝導率・弾塑性挙動における分散材料の形状、配向、分布形態などの要素と複合材料の局所的挙動との関連性,及び巨視的挙動に与える影響を検討した。本研究で構築した構成式の計算時間については、最近広がりつつある均質化法などの長い計算時間がかかる手法より格段に迅速であるので、利用価値が高い。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 呉亜東,中垣通彦: "繊維分散複合材料の構成則モデル"日本機械学会論文集. 65・633. 1003-1009 (1999)
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[Publications] M.Nakagaki,Y.D.Wu,F.W.Brust: "Elastoplastic Constitutive Model of Particle Dispersed Composite Accounting for Meso-scopic Localization Effects"Computer Modeling and Simulation in Engineering. 4・3. 186-192 (1999)
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[Publications] Y.D.Wu,M.NAKAGAKI: "Analysis of Local Stress Distribution around Elliptic Cracks in Fiber Dispersed Composite by Accounting for its Global Non-homogeneity"Nuclear Energy in the Next Millennium. 発表予定. (2000)
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[Publications] Y.D.Wu,M.NAKAGAKI: "Plasticity Constitutive Law for Fiber Dispersed Composite and its Evaluation"Computational Mechanics for the Next Millennium. 1・2. 905-910 (1999)
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[Publications] Y.D.Wu,M.NAKAGAKI: "Plasticity Constitutive Law Accounting for Interaction in Particle Dispersed Composite"Fracture and Damage Mechanics. 1・1. 313-322 (1999)
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[Publications] 呉亜東,中垣通彦: "繊維分散複合材料の配向による熱異方性を考慮した構成則"日本機械学会平成11年度材料力学部門講演会論文集. 359-360 (1999)