2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11750084
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
才本 明秀 長崎大学, 工学部, 助教授 (00253633)
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Keywords | 熱応力割断 / ぜい性破壊 / き裂伝ぱ / 自動加工 / 温度制御 |
Research Abstract |
ガラスやセラミックなどの脆性材料に局所的な温度変化を与えると、潜在するき裂が伝ぱして材料が破壊されることがある。逆に与えた温度変化が適当であれば、材料に熱的損傷を残すことなく所望の経路に沿ってき裂を伝ぱさせることが可能になる。従って本法は特に機械加工が困難な高脆性材の加工技術として産業界での需要が高まっている。熱応力割断を実用化するにあたり、材料に熱的損傷を残さない温度変化の範囲内で、き裂が進展するのに十分な応力拡大係数を供給すること。また、き裂が所望の経路に沿って進展するように温度変化に伴って生じる熱応力場を制御することが重要である。そこで本研究では、ソーダガラス薄板を直線割断する場合を研究対象とし、所望の割断線に沿うき裂進展を実現するための条件を考察した。まず与えた温度変化に基づく熱応力によってき裂がどのように進展するかを明らかにするために、き裂伝ぱシミュレーションシステムを開発した。本システムは熱応力問題に限らず、広範なき裂進展問題に適用可能である。数値解析により、矩形薄板を通電したニクロム線などの線熱源を用いて割断する場合、加熱位置が板の対称軸と一致すれば極めて直線性の高い線割断が実現できることを明らかにした。加熱線が板の対称軸に沿わない場合には一般にき裂は自由境界に接近するように湾曲を伴って進展することを示し、そのメカニズムを破壊力学に基づいて説明した。また、単位温度上昇あたりの熱応力拡大係数を大きくするためには、熱源を集中させるよりも加熱範囲を適切に広げることが重要であることを示した。一方で、加熱範囲を拡大すればき裂進展経路の正確なコントロールが困難になり、割断対象の形状と割断位置に応じた最適な加熱条件が存在することを明らかにした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] A Saimoto: "Simulation of crack growth in thermal stress cleaving using line heat source"JSME International Journal,Ser.A. 42・4. 578-584 (1999)
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[Publications] 沢田博司: "線熱源による割断におけるき裂進展挙動"精密工学会誌. 66・7. 1135-1139 (2000)
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[Publications] 西谷弘信: "穴または切欠底から生じたき裂の応力拡大係数(等価き裂長さによる検討)"日本機械学会論文集A編. 66・642. 369-373 (2000)
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[Publications] H Nisitani: "The veratility of the method of K1,K2 analysis by FEM based on the stress value at a crack tip"Key Engineering Materials. 183・187. 553-558 (2000)
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[Publications] 西谷弘信: "帯板における疲労き裂伝ぱ挙動とそのシミュレーション解析"材料. 49・8. 873-878 (2000)