1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11750094
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
篠塚 淳 東京工業大学, 工学部, 助手 (30282841)
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Keywords | 熱弾塑性有限要素法 / 切削加工 / 工具形状 / CAE / 設計 / 超高速切削 / シミュレーション / コーティング膜 |
Research Abstract |
高機能切削工具の刃型を解析的に設計するためには、被削材と工具の材料・切削条件(切削厚さ、切削速度)工具刃型形状が、切削力や切削温度、さらには工具磨耗特性や工具欠損特性、切りくず処理特性、加工製品の質などを、解析的に把握できる必要がある。上記の設計評価因子は、切削速度や工具材種(コーティング膜質)によって変化するが、このことを定量的に予測し評価できる手法は確立されていない。通常の切削速度域で、コーティング膜の無い工具においては、熱弾塑性FEMを用いて上記の評価因子を予測し把握することは、既に研究者代表者が開発している。本研究では、工具表面のコーティング膜の影響、切削速度が高速から超高速域での影響をも評価できる解析システムの構築を目指すものでる。 本年度は、まず工具表面のTiNやAl203などのコーティング膜の動性値と、それが切削機構に及ぼす影響を定量的に評価するために、工具表面に自由にコーティング膜を付加することのできるヘリコンスパッタ装置を購入し、その立ち上げを行った。コーティング膜の材料特性と膜厚が、切削機構に及ぼす影響は次年度以降に詳細に検討する。 また本年度は、異型工具刃型での高速、超高速切削過程(切削速度が被削材材料の塑性波の伝播速度を超えるような切削速度域)を解析的に把握するために、動的熱弾塑性FEM解析を用いた非定常切削シミュレータを新たに開発した。これにより、種々様々な工具材種で低速から超高速切削域における最適工具刃型形状を、熱弾塑性FEMとこれを統合するCAE技術を用いて解析的に設計するシステム構築の準備が整った。
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