1999 Fiscal Year Annual Research Report
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11750100
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
社本 英二 神戸大学, 工学部, 助教授 (20216146)
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Keywords | 楕円振動切削加工法 / 超精密切削加工 / ダイヤモンド工具 / 共振周波数自動追尾 / クロス制御 / 振動制御 / 形状精度 / 仕上げ面粗さ |
Research Abstract |
本研究では、これまでの研究成果に立脚し、楕円振動切削という新たな加工技術を確立することを目指して研究を行った。 平成11年度に行った研究により,主に下記の成果を得た。 1.安定した任意の楕円振動軌跡が得られる工具振動システムの開発 すでに開発している超音波楕円振動工具では、2方向に同一周波数で位相差を持つ共振を励起して楕円振動を得ているが、2方向の振動の干渉が大きいため、所望の楕円軌跡を得ることが容易ではない。そこで、高速回転体の制御において用いられるクロス制御の手法を応用して干渉を除去し、安定した任意の楕円振動軌跡を得ることのできる制御システムを構築した。開発したシステムでは、機械的共振周波数を自動的に追尾する制御,2方向の振幅を目標値に保つ制御,およに2方向の振動の間の位相差を目標値に保つ制御を同時に行うことができる。 2.旋削加工への適用と開発した工具振動システムの有用性の検証 上記の工具振動システムの各制御ゲインの調整を行い、本システムによって安定化した楕円振動によって切削実験を行った。ここでは、代表的な3次元切削加工である旋削加工を行った。その結果、安定化しない従来のシステムに比べて、大幅に形状精度、仕上げ面粗さを向上し得ることを確認した。 3.加工条件に関する検討 まず、切削油剤の供給方法について検討を行った。切削油剤を塗布する方法、ミスト状にして供給する方法、および乾式の切削を比較した結果、ミスト状にして供給した場合に最も良い仕上げ面粗さが得られることを確認した。また、現在、楕円振動の方向と切削の方向との関係についても検討を行っており、この両者がどのような関係にあるときに最も切削力や切りくず厚さが低下し、また仕上げ面性状が向上するかを明らかにしつつある。
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[Publications] Eiji Shamoto: "Ultraprecision 6-Axis Table Driven by Means of Walking Drive"Annals of the CIRP. Vol.49/1(to be published). (2000)
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[Publications] 社本英二: "超音波楕円振動切削加工法による超精密微細金型加工"1999年度精密工学会秋季大会学術講演会講演論文集. 182 (1999)
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[Publications] Eiji Shamoto: "Ultraprecision Diamond Cutting of Hardened Steel by Applying Elliptical Vibration Cutting"Annals of the CIRP. Vol.48/1. 441-444 (1999)
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[Publications] Eiji Shamoto: "Ultraprecision Ductile Cutting of Glass by Applying Ultrasonic Elliptical Vibration Cutting"Proc.of 1st EUSPEN. 408-411 (1999)
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[Publications] 社本英二: "楕円振動切削加工法(第3報)-三次元切削への適用と実用的諸効果の検討-"精密工学会誌. Vol.65. 586-591 (1999)
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[Publications] 社本英二: "鋼の超精密楕円振動切削加工"日本機械学会[No.99-2]第1回生産加工・工作機械部門講演会講演論文集. 179-180 (1999)