1999 Fiscal Year Annual Research Report
ドライエンドミル加工における加工精度補償システムの開発
Project/Area Number |
11750105
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
松村 隆 東京電機大学, 工学部, 助教授 (20199855)
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Keywords | エンドミル / 温度解析 / 熱膨張 / 有限要素法 |
Research Abstract |
本研究ではマシニングセンタにおけるドライエンドミル加工を対象とし,切削熱による工具・工作物の熱変形解析と,これに基づいた精度補償システムを開発する.今年度は有限要素法よって工具,工作物の熱変形を解析した.この解析では工具経路に応じて時間とともに材料が除去され,これによって解析モデルが変化するために,時刻tにおける節点は時刻t-1におけるそれと一致しない.そこでこの非定常解析において時刻tにおける計算ステップの初期温度を時刻t-1の計算で得られた温度を内挿保管して得る方法を考案した. 一方温度解析では熱源より流入する熱量と各接触部の熱伝達条件として,工具側4つ,工作物側4つの合計8つのパラメータが必要である.本研究ではこれらのパラメータを工具,工作物上数点の実際の温度変化と解析によるそれとが一致するように同定する.一般にこのような実測と解析との誤差関数の最小化は,共役方向法のような反復法による非線形最適化手法が利用できる.しかしながら有限要素法を含んだの誤差関数の計算にはかなりの時間を要するため実用的ではない.そこで8つのパラメータを独立して一次元探索する擬似的迅速同定法を考案した.なお一次元探索によるパラメータの同定順序と評価項目(例えば最高温度,温度の上昇速度など)は,各パラメータが温度変化に及ぼす影響を感度解析して決定する.この手法では一般的な非線形最適化手法に基づく結果に比べパラメータの精度が若干下がるが,計算時間は1/4になり迅速化を図ることができる. 今年度最終段階では以上の解析により,二,三の切削作業に対して工具と工作物の熱膨張を計算し,その妥当性を確認した.
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Research Products
(1 results)