1999 Fiscal Year Annual Research Report
粉末混入加工液を用いた液中放電表面処理法による機能表層および微小構造体の形成
Project/Area Number |
11750110
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
古谷 克司 豊田工業大学, 工学研究科, 助教授 (00238685)
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Keywords | 放電加工 / 粉末 / 付着加工 / 堆積 / 加工液 / 分散 / 放電位置 / 回転電極 |
Research Abstract |
申請者らはこれまでに形彫放電加工法によって圧粉体を電極とし、電極材料を被加工物表面に移行堆積して母材とは異なる機能をその表面上に形成する方法について研究を行ってきた。本工程は一次加工と二次加工とから構成される。圧粉体電極の製作には手間がかかり、一次加工と二次加工とで電極を交換する必要があったため、工程が煩雑であった。そこで本研究では、回転する導電性円板を工具として液中放電表面処理を行い、要求される形状に表面機能を付与することを目的とする。そのために、粉末材料を混入した加工液を用いる。 (1)圧粉体を用いた液中放電表面処理の状態計測 チタンカーバイドの圧粉体および半焼結体を電極とし、薄板を被加工物とした場合の放電電圧、電流、放電位置を観察した。その結果、圧粉体では放電が分散するが、半焼結体では放電が偏在することが明らかになった。 (2)粉末挙動の観察 放電加工では、極間には100V程度の電圧が印加されるが、間隙長が10μm程度であるので、電界強度は10^7V/m程度となる。したがって、微粉末が帯電していればその質量に比べ大きな力が加わることになる。1mmの間隔で対向させた銅板に200Vの電圧を印加し、その間の加工液中に浮遊する粉末の挙動を観察した。その結果、純チタン粉末では粉末が数珠繋ぎになって短絡が起こりやすいことが明らかになった。 (3)電極回転装置の試作 電極が回転すると周囲の粉末が電極と被加工物間に引き込まれる。放電は電極と被加工物との距離が最も短い部分の近傍で発生する。ここに放電が発生することで高熱が生じ、粉末は溶融し、被加工物上に堆積することが期待できる。回転速度を一定に保つために、タコジェネレータとしてDCモータを用いた電極回転装置を製作した。堆積実験は来年度行う予定である。
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