2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11750113
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 健司 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (50251351)
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Keywords | マイクロマシン / 摩擦力 / 凝着力 / メニスカスカ / 振動 / 液晶 / 表面エネルギー / 境界潤滑 |
Research Abstract |
マイクロマシンでは、重力などの体積力に比べ、ファンデルワールスカ、メニスカスカ、静電気力など表面間の凝着力が支配的となり、これらが摩擦力を増大させる方向に働く。このため、マイクロマシンの運動制御においては、凝着力、摩擦力の制御が重要な課題となる。本研究では、微小荷重条件下での摩擦力を制御することを目的として、以下の3種類の方法について実験的に調べた。 ・振動による摩擦力の制御:摩擦面に微小な振動を加え、振動振幅や周波数を変化させることによって摩擦力の大きさを制御できることを確認した。振動による摩擦低減効果はマクロスケールにおいても見られるが、マイクロスケールにおいては、摩擦速度や振動周波数に依存した特有の摩擦力変化が観察された。この原因は接触面近傍に凝縮した水のメニスカス(液体架橋)によるものであることが確認された。 ・液晶による摩擦力の制御:摩擦面間に液晶を供給し電圧を加えることによって、液晶分子が配向し、摩擦係数の大きさの変化や異方性が現れることが確認された。従来の研究では、液晶の流体潤滑特性が主に調べられてきたが、本研究により、液晶の境界潤滑特性が明らかになった。 ・液滴の供給による摩擦力制御:摩擦面間にリアルタイムで微量な液滴を供給するための実験装置を開発し、液滴の供給による摩擦力の変化を調べた。その結果、液滴によるメニスカスカが面に垂直な方向だけでなく水平な方向にも働くことが確認され、液滴の形状とせん断抵抗との間の関係が明らかになった。
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