2000 Fiscal Year Annual Research Report
粘弾性流体の同心二重円筒内流れの不安定性発生に及ぼす第2法線応力差の影響の解明
Project/Area Number |
11750134
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
高橋 勉 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (20216732)
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Keywords | 粘弾性流体 / 不安定流動 / 第2法線応力差 / 光学的異方性 / 複屈折 / 光弾性則 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度作製した光学測定用同心二重円筒流路を用いて粘弾性流体の法線応力差の測定を行うためのシステムの最終的な構築、および測定を行い、他の方法で測定された結果との比較・検証を行った。 機械式測定用のプラットフォームとして使用したひずみ制御型レオメータと連動して2方向より複屈折を測定し、屈折率テンソルの全成分を計算するための解析手法を確立した。また、レオメータから得られるせん断応力のデータと合わせて、光弾性係数を算出し、この値と屈折率テンソルの成分から第1、第2法線応力差の過渡的な変化を測定するための手法を作製した。 検証実験として、顕著な粘弾性を示すチューブ状ミセルを形成する界面活性剤水溶液、CTAB/NaSal水溶液、を用いてスタートアップ・緩和過程における第1、第2法線応力差の値を測定した。これらの値は本申請者が先に開発した平行円板型流路を用いた測定結果と比較して妥当な値であった。さらに、また、光学的に測定された第1法線応力差は円錐円板型流路を用いて機械的手法で測定した結果とほぼ一致し、この手法の妥当性が検証された。 これらの研究成果は、レオロジーの分野でもっとも権威のある国際会議「国際レオロジー会議」(2000年8月20〜23日、イギリス・ケンブリッジ大学)において口頭発表を行った。また、現在この成果を学術雑誌に投稿するべく準備を行っている。
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