2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
11750137
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
井門 康司 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (40221775)
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Keywords | 磁性流体 / 機能性流体 / 流体輸送 / 波動 / 進行磁場 / 連成振動 / 弾性膜 / 界面変形 |
Research Abstract |
磁性流体に非一様磁場を印加したときに生じる界面変形を利用した流体輸送機構について研究を行った.昨年度までの研究によって得られた磁性流体と弾性膜の印加磁場に対する応答特性を基にして,浅い磁性流体層を弾性膜で被覆し,これに垂直進行磁場を印加することによって発生する磁性流体と弾性膜の連成波動を利用して水などの流体を輸送する機構を試作した.被輸送流体の流路を挟んで上下に磁性流体層を設け,磁性流体層と被輸送流体流路との間をシリコンゴムシートで覆った.磁性流体層の外側にそれぞれ16個の電磁石を直列に配列し,この上下の電磁石に同期したパルス状の進行磁場を発生させることにより,磁性流体と弾性膜に連成波動が生じ,被輸送流体が輸送される.過去には進行磁場としてパルス幅変調方式により正弦波状の入力を与え,その応答特性が明らかにされている.本研究では,単純な矩形パルス磁場を入力として与えた場合の輸送特性を明らかにした.また,磁性流体層を環流型にし,その効果を明らかにした.パルス状の進行磁場を与えた場合,今回作製した試作装置では入力磁場の周波数がほぼ3Hzで被輸送流体の流速が最大となるピーク値を持つことがわかった.入力方式以外の条件をほぼ同じにし,パルス磁場を用いた場合とパルス幅変調方式を用いた場合の輸送特性を比較した場合,単純なパルス磁場を印加した場合の方が得られる被輸送流体の流速が大きくなることが明らかになった.また,磁性流体層を環流型にしたことにより,環流型でない場合に生じていた入力磁場の低周波数領域での拍動などが発生せず,比較的スムーズに流体が輸送されることがわかった.
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