2000 Fiscal Year Annual Research Report
DNSによる柔軟壁効果を用いた壁乱流騒音低減機構の解明
Project/Area Number |
11750139
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
辻本 公一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (10243180)
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Keywords | 空力音響学 / 壁乱流 / 直接数値シミュレーション / 騒音低減 / CAA / DNS |
Research Abstract |
壁乱流からの放射音特性と音源について評価するため、音場と流れ場を分離した低マッハ数流れ場の直接解法によりシミュレーションを行った。壁遠方へ放射する音場の特性は、遠方では離散的でかつ大規模な泡状の音場構造が形成される。壁上に二次元回転渦を単独に配置した場合と周期的に適当な間隔で配置した場合の放射音特性を比較した結果、3次元場と同様の泡状の音場構造が再現され、強い音源の干渉の結果、大規模な音場構造が現われることを明らかにした。これら放射音の特性は低マッハ数固有の問題で、空間的に低波数が優位となる伝播モード特性であることを理論的に説明した。乱流音の発生機構を要素還元化して考えるための出発点として線形統計評価法により壁近傍場で統計的に抽出された渦対を時間発展させた際の放射音の計算を行った。シミュレーションでは、この渦の成長過程の一部しか計算していないが、強い要素渦の発達段階においては、徐々に放射音が強くなるわけではなく、ヘッド部が急成長する際にとくに強い放射音が発生することがわかった。この様子は瞬時の流れ場においても観察され、強い音源構造の動的性質がより詳細に特定された。高マッハ流れ場における音場の基本的な特性を評価するために、超音速溝乱流場の直接数値シミュレーションを行った。従来から理論ならびに経験的にマッハ数が5以下では非圧縮流れ場の乱流構造との違いはないことが指摘されていたが、シミュレーションの結果からも、壁近傍に広がる強い要素渦や、それに付随する大規模ストリーク構造などの微細な乱流構造まで違いのないことが確認された。また、圧縮流れ場を特徴付ける速度場のdilation(膨張・収縮)項による消散はマッハ数が5の場合でさえsolenoidalな消散に比べ極めて小さく、騒音低減を考える場合、微細要素渦の振る舞いに注目して解析、あるいは制御してやればよいことを明らかにした。
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[Publications] 漁哲司,三宅裕,辻本公一,宮本善彰: "壁乱流の渦から出る音のDNS"日本流体力学会年会'2000講演論文集. 233-234 (2000)
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[Publications] 漁哲司,三宅裕,辻本公一: "壁乱流からの放射音のDNS"第14回CFDシンポジウム'99講演論文集CD-ROM版. (2000)
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[Publications] 高木剛,三宅裕,辻本公一: "直接数値シミュレーションによる圧縮性溝乱流場の構造解析"日本機械学会 関西支部第76期定時総会 講演論文集. (発表予定). (2001)
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[Publications] 高木剛,辻本公一,三宅裕: "直接数値シミュレーションによる圧縮性溝乱流の構造解析"第一回大阪大学大規模シミュレーション研究会. (発表予定). (2001)
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[Publications] Y.MIYAKE,K.TSUJIMOTO,Y.MIYAMOTO and T.RYO: "A DNS of Acoustic Field emitted from a Near-Wall Turbulent Flow"7th AIAA/CEAS Aeroacoustic Conference. (発表予定). (2001)