流れ場における円柱壁面噴流の流動特性に関する研究

1999 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 11750140
• Research Institution: Kogakuin University
• Principal Investigator: 佐藤 光太郎 工学院大学, 工学部, 助教授 (80252625)
• Keywords: 円柱壁面噴流 / 振動特性 / 高速度ビデオカメラ / 流れの可視化

Research Abstract

噴流出口スリット付き円柱を組み込んだウォータータンネルを設計・製作し,円柱壁面噴流の挙動観察を可能にした.初年度である本年度は噴流自身の自励振動の特性を確認するため,矩形容器内の噴流の挙動を調べ,噴流速度,噴流幅,容器幾何形状と振動数との関係を圧力変換器による圧力計測より明らかにした.さらに流れ場における円柱壁面噴流の基本特性を調べるために一様流中に円柱を置き,噴流付着距離へ及ぼす主流に対する噴流噴射角,噴流相対速度の影響について高速度ビデオカメラを用いて流れの可視化を行った.
一方,理論的研究として差分法を用いた矩形容器内噴流の挙動に関する数値シミュレーションを行った.しかしながら,現時点では解のメッシュ依存性が強く,今後更なる検討が必要である.
以下の結果を踏まえ,次年度は特に円柱後流に形成される速度剪断層と噴流との干渉により新たな振動が生じる(カルマン渦の発生による振動が軽減する)ものと推測されることから,振幅の増幅・減衰効果および振動数の変化などの振動特性に着目し研究を進める.一方,円柱の揚力発生に関わるコアンダ効果,剥離点の推移と幾何形状および相対噴流速度の関係を調べ,最適条件を提案する.さらにホバリング時の機体姿勢安定に対し重要な要素となる地形を考慮した境界条件を課すことにより,地面効果についても検討する.

Research Products

• [Publications] 佐藤光太郎,棚田雅之,門田幸恵,辻本良信: "平板翼に生じる振動キャビテーションの観察"日本機械学会論文集(B編). Vol.65-639. 121-129 (1999)
• [Publications] 佐藤光太郎,冨田幸雄,古屋興二: "振動壁まわりの気泡の挙動と圧力分布に及ぼすクリアランスの影響"第10回キャビテーションに関するシンポジウム. 15-18 (1999)
• [Publications] Satoshi Watanabe,Kotaro Sato,Yoshinobu Tsujimoto,Kenjiro Kamijo: "Analysis of Rotating Cavitation in a Finite Pitch Cascade Using a Closed Cavity Model and a Singularity Method"Transactions of the ASME. Vol.121. 834-840 (1999)