1999 Fiscal Year Annual Research Report
単独翼および翼列に生じるキャビテーション振動とキャビティ後流構造に関する研究
Project/Area Number |
11750144
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
渡邉 聡 九州大学, 大学院・工学研究科, 講師 (50304738)
|
Keywords | キャビテーション / 減速翼列 / 自由流線理論 / 特異点法 / 単独翼 / キャビティ後流 |
Research Abstract |
本研究はロケット用ターボポンプや水中翼などの様々な流体機器で問題となるキャビテーション関連振動の基本特性と発生機構の解明を目的とするものである。本年度はキャビテーション振動の全体像を掴むことを目的に,ターボ機械の単純なモデルである二次元減速翼列を対象とした理論解析を中心に研究を遂行した。 本研究で使用した理論解析手法は,研究代表者がこれまで単独翼のキャビテーション振動の解析に適用してその有効性を実証してきた自由流線理論と特異点法を組み合わせた数値解析法である。この解析手法を二次元減速翼列を対象としたものに拡張し解析を行った。その際,翼列形状としては実験データが豊富な二枚羽根インデューサに近いものとした。なお,実際のインデューサでは二種類のキャビテーションサージ(高周波数および低周波数のもの)が特に低流量運転時に生じることが知られている。本解析で得られた結果を以下に示す。 1.本解析で用いた線形閉鎖型キャビティモデルが高周波数のキャビテーションサージをよく模擬できる。 2.高周波数のキャビテーションサージの周波数は,翼列形状が異なる場合においても,キャビティ長に基づく無次元周波数を採用すれば,翼列ピッチで無次元化したキャビティ長とよい相関を示す。 3.本解析では低周波数のキャビテーションサージは全く模擬できず,このことは実際に見られる複雑なキャビティ後流や低流量時の大規模な逆流の影響をモデルに組み込む必要があることを示唆している。 また,上述の理論解析と並行して,現有のキャビテーションタンネルにNACA0015単独翼を組み込み,可視観察,壁面圧力測定を中心とした実験を開始した。現在,実験データの収集・整理中であり,今後はキャビティ後流の構造解明・物理モデル構築を目的とした圧力場・流れ場計測を行い,その後供試体を二次元減速翼列へ組みかえて実験を遂行していく予定である。
|
Research Products
(1 results)