1999 Fiscal Year Annual Research Report
管内への蓄熱体充填と振動流の流量波形制御による熱流動制御型新ドリームパイプの開発
Project/Area Number |
11750152
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
田中 学 千葉大学, 工学部, 助手 (20292667)
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Keywords | 熱輸送 / 振動流 / ドリームパイプ / 管内流 |
Research Abstract |
本研究では,より高い熱輸送特性を持つ振動制御型熱輸送管の可能性について検討することを目的とし,断面内の速度境界層領域と半径方向の熱伝達効果を増加させる手段として,管内に充填物を挿入する方法を試みた.充填物を管内に設置するためには試験管の管径をある程度大きくする必要があるので,まず管径の大小が軸方向の熱輸送に及ぼす影響について検討し,その後充填物を挿入して軸方向熱輸送の改善の可能性について検討を行った.実験装置は加熱容器,冷却容器,それらをつなぐ試験管部,加振部,温度測定装置より構成され,熱は加熱容器から冷却容器へ試験管内部の加振された水を通して輸送される.試験管部には内径4mm,8mm,16mmの3種類のアクリル円管を使用し,充填物は,内径16mmの場合に直径1mmの銅線8本を管内に配置して用いた.加熱容器内ヒータの発熱量,及び装置の熱損失から振動流による移動熱量を求め,試験管部の温度勾配を用いて実効熱拡散係数を算出した.その結果,まずいずれの管径の円管を用いた場合にも,無次元整理をすると実効熱拡散係数と周波数との間にほぼ比例関係が認められた.従来報告されている振動流を用いた熱輸送管の実験では,比較的小さな管径(4,5mm程度)の熱輸送管を用いてその特性が調べられてきたが,管径を大きくしても同様の熱輸送特性がみられることが確認された.また,試験管内径16mmの場合について充填物の影響を調べた結果,充填物を入れた方が入れないときより約2〜3倍の実効熱拡散係数の増大がみられた.このことより,充填物の挿入による速度境界層領域の増加,また流体と充填物との間の非定常熱伝達が管軸方向の熱輸送に有効に作用していると考えられた.
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