1999 Fiscal Year Annual Research Report
結晶成長における非平衡性・異方性とメゾスケール形態予測シュミレーション
Project/Area Number |
11750156
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
中別府 修 東京工業大学, 工学部, 助教授 (50227873)
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Keywords | 結晶成長 / 非平衡 / 異方性 / フェーズフィールドモデル / シミュレーション |
Research Abstract |
デンドライト結晶の複雑で秩序ある形態の形成メカニズムは、温度・濃度場・形態と過冷度の関係、異方性、非平衡性を考慮し大規模な数値計算(フェーズフィールドモデル、PFM)を行うことで解明されつつある。本研究では、実存物質の結晶成長形態を予測、説明するために、実験的に凝固界面の熱的・組織的過冷度、結晶の成長方向と凝固速度の関係を精密に計測し、非平衡性・異方性を数値化し、この新しい物性値を利用したPFM計算を行う。 本年度は、結晶成長時の界面過冷却と成長速度の精密計測を計測するため、一定の温度勾配が付けられる方向性凝固ステージを製作し、スクシノニトリル、ザロール、ピバリン酸、安息香酸フェニル、NaC1水溶液に対する結晶成長実験、および、これまでに開発していたPFMを組織的過冷度がある場へ適応させる改良を行った。実験では、金属板とガラス版に挟まれた試料は2次元的な結晶成長を示し、水、スクシノニトリル等のノンファセット凝固を示す結晶では、単位過冷度当たりの成長速度が比較的大きく、ザロール等のファセット凝固を示す物質は結晶成長速度が遅く、また、結晶の成長する方位によって成長速度が異なる異方性が計測された。シミュレーションでは、濃度の保存式と相(フェーズ)の発展方程式を連立し、水溶液が与えられた熱的過冷度によって濃縮しながら凝固する様子がシミュレートされるようになった。 今後は、実験で計測された、結晶成長速度や異方性をモデルに取り込む方法を検討し、PFMによる形態予測手法の確立を目指す。
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Research Products
(1 results)