• Search Research Projects
  • Search Researchers
  • How to Use
  1. Back to project page

1999 Fiscal Year Annual Research Report

火炎中のフラーレン生成機構の分子軌道法による解析

Research Project

Project/Area Number 11750171
Research InstitutionOkayama Prefectural University

Principal Investigator

国吉 ニルソン  岡山県立大学, 情報工学部, 助教授 (30254577)

Keywordsフラーレン / PAH / スス / 反応機構 / 速度定数 / 燃焼合成
Research Abstract

炭化水素火炎中でフラーレンが生成するためには火炎中で成長していく PAH(Polycyclic Aromatic Hydrocarbon,多環芳香族炭化水素)分子に炭素原子が五員環(正五角形)を形成しなければならない。六員環(正六角形)からなる分子からの五員環の形成過程を調べた。その結果、
(1)六員環1個からなる phenyl ラジカル(C_6H_5)と酸素分子との部分酸化反応によって五員環である cyclopentadienyl ラジカル(C_5H_5)が生成する。そのときのエネルギーおよび原子配置の変化から、反応が進行する条件は火炎中でフラーレンが生成する条件、つまり高温低圧であることがわかった。また、六員環2個からなる l-naphthyl ラジカルも phenyl ラジカルと同様の反応機構を通して酸素分子との反応によって六員環と五員環1個ずつからなる indenyl ラジカルへ酸化される。両方の反応が同じ機構によって進行し、ほぼ同じ速度定数を示すことから、任意の数の六員環からなる PAH の部分酸化によって五員環を含む化学種が同機構・同速度定数をもって生成することが考えられる。
(2)五員環を含む化学種が生成するもう一つの過程として隣接した六員環にアセチレンが付加する反応がある。この反応を調べた結果、高温を必要とせず、常圧下でも進行することがわかった。
これらの結果から、6員環からなる PAH の部分酸化反応は火炎中のフラーレン生成機構に関与していることが考えられるのに対して、アセチレンの付加反応はススが生成する条件下で優先的に生じることがいえる。

URL: 

Published: 2001-10-23   Modified: 2016-04-21  

Information User Guide FAQ News Terms of Use Attribution of KAKENHI

Powered by NII kakenhi