Research Abstract |
これまでの研究では,加速度センサの可動部をバネとボールから構成していた.このとき,検出部とボール,および検出部とバネの間の摩擦が問題となり,センサの静止時にボールが基準位置以外で止まってしまうことがあった.この場合,ロボットが静止していても,センサ内のボール位置がずれているため,ロボットは加速度運動をしているとして検出されるので,正確な位置測定が難しかった. 本年度は,検出部と可動部の間の摩擦を根本的に取り除くために,可動部を片持ち梁に変更した新たなセンサを製作し,実験を行った.その結果,摩擦を取り除けたため,実験の再現性は向上した.また,摩擦の影響を受けないので微小な加速度測定が可能であった.しかしながら,前回のバネを用いたセンサ同様,梁自体の自由振動項がロボットの運動の加速度出力に載るため,その積分により求めた位置データが実際の位置からずれてしまうということ確認された.またこのことは,シミュレーションを通しても明らかになった.それに対し,デジタルフィルタをソフト的にかけるという対応を行った.その結果,加速度のデータに対しては自由振動項が抑えられたが,それを積分した際には,やはり位置誤差が生じた. 来年度は,センサ内をオイルで満たすことで,ハード的に梁の自由振動を抑えることを考える予定である.また,2つの加速度センサをx軸,y軸の2軸に配置し,その真中にジャイロ計を搭載することにより,2次元の距離測定を行い,その性能について検証する予定である.また,実験で用いる移動ロボットは,細かい動作計画が可能であり,値段が安価であることが望ましいので,要素部品を組み合わせた移動ロボットを製作し実験を行う予定である.
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