1999 Fiscal Year Annual Research Report
数珠状帯電粒子列による空間電荷雲の制御と模擬雷放電の生成
Project/Area Number |
11750225
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
杉本 俊之 山形大学, 工学部, 助手 (10282237)
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Keywords | 帯電粒子 / 誘導帯電 / 火花放電 / 空間電荷放電 |
Research Abstract |
帯電粒子群による空間電荷雲と接地体との間で起こる空間電荷放電現象を解明するため,絶縁細線を介して所定の電荷を持つ帯電粒子を空間に固定した状態で放電を起こす方法について実験的に検討した。短径約5mm,長径約10mmの楕円体粒子を直径0.4mmの絶縁細線に固定し,平行平板電極間の下部接地電極に接触させることで誘導帯電させた。粒子の電荷量は平行平板電極間の電界に比例して増加し,0.8MV/mの電界下で1つの粒子に約1nCの電荷を与えることができた。1本の絶縁細線に20mm間隔で15個の粒子を固定し,それぞれに約1nCの電荷を与えた。これを15本用意して20mm間隔で並ベ,格子状に帯電粒子を分布させ,その中心部に直径19.6mmの接地球電極を近づけて放電を起こした。粒子の総帯電電荷量は約200nCである。比較のため,直径5mm長さ30cmの丸棒電極7本を4cm間隔で並べたものと一辺30cmの金属平板電極を約200nCに帯電させたものについても同様に,放電電流波形と放電電荷量を調べた。総帯電電荷量は同程度にもかかわらず,粒子の放電電荷量には大きな差異が現れた。小さい粒子が数多く分布する状態では放電電荷量が小さく,放電後の粒子の電荷量は放電前とは逆極性となることが判明した。これは,放電により帯電粒子と接地電極が導通するので,周囲の帯電粒子によって形成される電界によって帯電粒子と逆極性の電荷が誘起するためである。また,空間電荷雲と接地電極との間で起こる放電の大きさは周囲の接地体に大きく影響され,近くに接地体が存在する場合には放電電流および放電電荷量が大きく低下することを確認した。
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