1999 Fiscal Year Annual Research Report
水中放電による超臨界状態を利用した環境汚染物質の分解
Project/Area Number |
11750232
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
高島 和則 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (60303707)
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Keywords | 水中放電 / 超臨界 / パルスストリーマ放電 / 水蒸気放電 / コロナ放電 / オゾン |
Research Abstract |
超臨界状態の水は非常に高い密度を持つ気体の状態であると考えることができる。このような見地から本年度は水中放電のための基礎的なデータを収集するため、高温水蒸気中での放電の実験系を構築し、電流電圧特性およびアセトアルデヒドに対する分解特性、オゾン生成特性の検討を行った。放電空間の温度は100℃、水蒸気発生量は液体状態で1ml/minとし、反応器内を完全に水蒸気で置換した後実験を行った。正および負コロナ放電の電圧電流特性を測定した結果、正極性、負極性ともに水蒸気存在下ではドライ条件よりもコロナ開始電圧が高くなるという結果を得た。また、同じ印加電圧では水蒸気存在下では電流値が小さくなることがわかった。 アセトアルデヒドを空気で希釈したもの(濃度3ppm)を模擬ガスとして4l/minの割合で上記の水蒸気と混合し、放電を行った。その結果、ドライ条件下での正極性コロナ放電では数ppmのオゾンが生成したが、水蒸気存在下では発生量は約1/10であった。アセトアルデヒド分解率に関しては、正コロナの比較的電流値が大きな領域(約10μA以上)を除いては水蒸気が存在する場合の方がドライ条件よりも高い分解率を示した。このことは非常に低いオゾン発生にも関わらず、アセトアルデヒドの除去が可能であることを示唆している。
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