1999 Fiscal Year Annual Research Report
分散型高効率 熱リサイクルシステムの構築-コバルト・アンチモンを用いた高効率・広温度 熱電変換素子の開発-
Project/Area Number |
11750239
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
飯田 努 東京理科大学, 基礎工学部・材料工学科, 助手 (20297625)
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Keywords | 熱電変換 / コバルト・アンチモン / 熱リサイクル / ブリッジマン法 / 熱処理 |
Research Abstract |
試料作製 -結晶成長法として高い品質の結晶育成が期待できる垂直ブリjッジマン(VB)法によりSb-rich組成(モル比Co:Sb=1:9)の原料を降温し選択的にCoSb_3結晶を析出させる方法を採用した。 -結晶育成に先立ち、1200℃溶融状態での原料攪拌を十分に行い、CoとSbを均一に混合させ、育成原料とした。 育成試料の特性 -育成試料の光学顕微鏡観察およびX線ディフラクトメータ法による測定からCoSb_3に加え、金属Sbの存在が示唆された。 後熱処理による試料の特性改善 -800℃20時間の後熱処理を施すことにより金属Sbの排出が起こり、ほぼ、CoSb_3のみからなる試料の作製に成功した。 -後熱処理の時間依存性では40時間、60時間の熱処理では20時間の場合と同様にSb相の排出が継続して観察されるものの、熱処理時間の増加に伴い金属SbだけでなくCoSb_3を形成するSbが分解して排出される傾向が確認された。長時間の熱処理ではCoSb_1やCoSb_2の等他相の生成を誘発することが明らかとなった。 総括 -VB法による試料を熱処理したものはほぼ単一なCoSb_3であると言える。後熱処理はCoSb_3相の周りのSb相を除去する方法としては再現性も見られ、有効な手段であることが認められた。
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